2019年 11月 15日 (金)

元外交官が考える「日韓問題解決法」 「WTOや米国に行くのではなく...」

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   元徴用工らへの賠償を命じる判決や、日本が韓国への「ホワイト国」解除をめぐり日韓関係が悪化する中、両国の論客が2019年7月24日に東京・丸の内の日本外国特派員協会でそろって記者会見し、「日韓危機に考えられる解決策」をテーマに議論を戦わせた。

   外交官出身で、韓国での駐在経験もある自民党の松川るい参院議員は、ホワイトリスト除外問題は徴用工問題への対抗措置だとの見方を否定した上で、そもそも韓国が輸出管理体制を充実させるべきだと主張。恵泉女学園大学の李泳采(イ・ヨンチェ)教授は、日本が「一方的に貿易規制措置を報復として」行ったと主張。議論は平行線をたどった。

  • 恵泉女学園大学の李泳采(イ・ヨンチェ)教授(左)と自民党の松川るい参院議員(右)。議論が平行線をたどる場面も目立った
    恵泉女学園大学の李泳采(イ・ヨンチェ)教授(左)と自民党の松川るい参院議員(右)。議論が平行線をたどる場面も目立った

松川氏「この約3年間にわたって輸出管理当局間の協議が行われず...」

   松川氏は、そもそも韓国が「ホワイト国」指定され、その状態が続いてきた経緯を

「通常兵器のキャッチオール制度(編注:食料品などを除く全品目のうち、当局が指定する個別の輸出案件について審査を求める仕組み)が未導入であるとか、韓国の輸出管理制度に不十分な点がもともとあった。(日韓の)二国間の政府間対話が定期的に行われることで、輸出管理当局間で『きちんとやってくださいね』『どうなってますか』といった情報交換や要請をすることによって、韓国の輸出管理制度の不十分な点を補いつつ、信頼関係を前提としつつ輸出管理制度を運用してきたのが、これまでの実態」

などと説明。指定解除の経緯については

「日本の申し入れにもかかわらず、この約3年間にわたって輸出管理当局間の協議が行われず、韓国側が制度や運用を改善するとの確認が取れない状況が続いている。また、その改善も見込まれない。こうしたことから今回、安全保障を目的に輸出管理を適切に実施する観点から運用を見直すことにした」

と説明。徴用工問題との関係については、

「タイミング的に対抗措置に見えてしまったことは遺憾。違うんです」

とした。

「信頼関係を取り戻す措置をやるべきだ」

   この問題では、7月10日の康京和(カン・ギョンファ)外相が米国のポンペオ国務長官との電話会談で問題提起したほか、スイス・ジュネーブで7月24日(現地時間)に開かれた世界貿易機関(WTO)の一般理事会で、韓国が日本を非難。日本が反論する場面があった。今回の記者会見のテーマは、「考えられる解決策」。松川氏は韓国側の対応が不可欠だとの立場だ。

「韓国がやるべきことは、WTOに行ったり、米国に行って『日本が悪いんです』と日本のことを非難するのではなく、輸出管理体制をもう少し充実させる。例えば韓国の場合は11人しか管理する人がいないが、日本は120人態勢でやっている」
「今は対話がないまま信頼関係が崩れているわけだから、こうした信頼関係を取り戻す措置をやるべきだ」

   李氏「日本政府は一切具体的な違反事例を提示したものは今までない」

   一方の李氏は、日本に対してさらに外交努力を求める立場。WTOなどの原則では、

「特定の国の貿易関係で急に政策が変わる場合は、それにきちんとした説明が必ず必要になる」

とした上で、主要20カ国・地域(G20)首脳会議で安倍晋三首相が韓国との首脳会談に応じなかったことを指摘し、

「(G20直後の)7月1日に一方的に貿易規制措置を報復として打ったことになる」
「今の時点で(ホワイトリストから)排除する具体的な理由が何か(の説明)を韓国政府は求めているが、日本政府は一切具体的な違反事例を提示したものは今までない」

などとして、ホワイトリストからの除外は徴用工問題が影響しているとの見方だ。

   松川氏はこれに先立つ議論で、

「輸出とつくから、なんか貿易と似てると思われそうだが、輸出管理=arms control regime と trade(貿易)は全然違う」
「ホワイト国の指定は完全にその国の裁量で行える」

とも主張しており、議論がかみ合わない部分も目立った。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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