2019年 12月 9日 (月)

富士山「1キロ滑落」からの生還劇 絶体絶命免れた人々は、何が「違った」のか

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50年前には、約2キロも滑落し、重体となった人も

   さらに、2006年12月4日には、別の会社員男性が9合目付近で突風を受けてバランスを崩し、7合目付近まで約1キロ滑落した。胸の骨を折るなどの重傷を負ったが、命に別状はなかったという。登山仲間と登っており、この仲間が110番通報していた。

   新聞記事のデータベース上にはないが、過去には、なんと約2キロも滑落したケースもあったらしい。

   筑波大学のサイト上に掲載されている水理実験センター報告の第2号(1978年)では、林陽生、泉耕二両氏の「富士山遭難記録表」が大学スタッフの切り抜いた新聞記事12年間分(1964~75年)の滑落例などをまとめている。

   それによると、1969年3月23日には、9合目から2キロ下の5合目にある山梨県側のツバクロ沢まで2人が滑落した。1人は死亡し、1人は重体だった。その後の生死は記事だけでは分かっていないようだ。なお、1キロ滑落してケガで済んだケースは、68年と70年の2例あった。

   12年間で滑落事故は50件あり、雪崩が多い他の山とは対照的に、突風や強風によるケースが最も多い。また、冬山訓練が度々行われる11月の事故が飛び抜けて多かった。御殿場口や吉田口から山頂に向かうルートは、「ツムジ地帯」「突風地帯」と呼ばれる地点が点在しており、航空機の墜落事故も多いという。男性が滑落したのは、その中間点ぐらいの山頂付近だった。

   地元・富士宮山岳会の工藤誠志会長は、「1000メートルぐらい転落して助かったケースは、ツバクロ沢などでたまにありますね。柔らかい雪に軟着陸して助かったということだと思います」とJ-CASTニュースの取材に話す。男性の場合は、11月に入る前の岩が露出したりしている時期で、雪もまだ十分に積もっていなかったのかもしれない。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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