2024年 4月 19日 (金)

中曽根康弘氏、自ら遺した「誤算」の記録 オフレコメモが語る「靖国公式参拝」...85年夏、何が起きていたのか

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「靖国の問題だけよりも1%とかそういう空気の方が問題だ」

   参拝当日の8月15日も同様だ。「8/15朝 福田」のメモ。福田赳夫元首相の発言とみられ、曰く「対外的にはさほどの影響はないだろう。靖国の問題だけよりも1%とかそういう空気の方が問題だ」。防衛関係費を国民総生産(GNP)の1%の枠内に抑える閣議決定の撤廃をめぐる問題の方が、靖国参拝より問題になりうるとみていたわけだ。

   「藤森夕懇」のメモでは、

「靖国公式参拝はこの方式は今年だけのざん定でしょうか、今後もこの方式で、ということでしょうか」

という記者の質問に対して、藤森昭一官房副長官とみられる人物が、

「そりゃあ、これだけ検討したんですから、ざん定ということはありませんね。これからもこの方式で続けられると思いますよ」

と応じている。中曽根氏本人も同様の考えだったようだ。「8/22 中曽根 夕食懇」「参考取扱注意 pm.7:50-9:10 完全オフレコ」などと注意書きがついたメモでは、「参拝の形式は今後もこのまま続くのか」という質問に、中曽根氏は次のように答えた。

「それはそうだよ。大体さっきも言ったけど、戦前あそこは戦没者がまつられることになっていたんだ。学会の人でもキリスト教でも、あそこにまつるというのが契約みたいなものだった。それを戦後たまたま宗教法人になったからといって、行かなくなるというのは国家の契約違反になってしまうから。もともと戦没者のほとんどは赤紙一枚で行きたくない戦争に行かされた人たちだ。よく『進んで行った』というが、あれはウソだね。オレの考えでは300万の戦死者のうち299万9000人はそういう人たちだね。国を守るためにはしかたない、とそんな気持ちで戦地に行った人たちなんだ。それを追悼するということは当たり前じゃあないか」
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