2024年 4月 20日 (土)

靖国公式参拝は、こうして途絶えた 示唆された黙認、見通しの甘さ、追い詰められる趙紫陽氏

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冷ややかな宮澤喜一氏「これからどうするのでしょうかねえ」

   その舞台裏を語る人物もいる。赤文字で「要注意」と書かれ、「宮沢私邸懇(85.10.24夜) オフレコ」と題したメモだ。青い自民党の便せんに手書きされている。宮澤喜一総務会長とみられる人物が、河本派のパーティーで外相の安倍氏と話したという内容を、このように明かしている。

「これはオフレコですが、外務省としては公式参拝ということになると当然中国のリアクションが予想されますから事前に中国側と非公式な折衝をしたらしいんですね。そしたら中国の方も終戦記念日に参拝するくらいなら黙認するという反応だったらしいんですね。ところが北京大学でデモが起こり、中国のマスコミがこれを取り上げ、日本のマスコミもこれを取り上げることによってすっかりポリティックスな問題になってしまった。そうなると、中国外務省も原則論で押さざるを得ないということらしいんですね」

   その上で、当時の政府の見通しの甘さを指摘した。

「(編注:日本時間でこの日午前に、ニューヨークで行われたばかりの)中曽根趙紫陽会談で原則の確認をしたようですが外務大臣は『まだまだ尾を引きそうだ』といっていましたね。まあ、終戦記念日と秋季例大祭は私も性格が違うと思いますし、今度は時間がないということであのような処理をしたのですが、これからどうするのでしょうかねえ。『一旦政府が決めた方針が外国の内政干渉によって覆るのはおかしい』というのはちょっと激しすぎるとは思いますが、リアクションが読めなかったのかといわれれば政府は苦しいですよね」
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