2024年 4月 27日 (土)

岡田光世「トランプのアメリカ」で暮らす人たち
コロナ禍で急増するホームレスの現実

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NYでは世界大恐慌以来の数に

   今回、ニューヨークに戻ってまず気づいたのが、路上にホームレスの人たちが増えたことだ。その傾向は10年前ほどからあったが、さらに目立つようになった。以前は、路上で過ごすホームレスに警官が対応していたが、ニューヨーク市警の予算削減のため、手が回らなくなったこともある。

   コロナの影響で閉鎖を余儀なくされた店やホテルの前に、ホームレスが集まってくる。コロナ感染が一気に広がった3月から閉鎖中のミッドタウンのあるホテルでは、玄関前のスペースに何人も泊まり込んでいた。彼らに無料で食事を提供する場所は、長蛇の列ができている。

   ある朝、そのホテルの正面一面に木の板が貼られていた。が、その夜すでに侵入者がいるとの通報を受け、警官が何人も駆けつけた。

   ホームレス擁護団体「Coalition for the Homeless」によると、ニューヨーク市のホームレスは約6万人(2020年6月現在)。その数は1930年代の世界大恐慌以来、最も多い。

   同団体の調べでは、ニューヨーク市のホームレスの57%が黒人、32%がヒスパニック・ラテン系。重度の精神疾患や病気、ドラッグやアルコール依存症などの問題を抱える人は、独身のホームレスに多い。

   また、市内のあちこちで、路上に置かれたゴミ箱の中から食べかけのピザや飲みかけのコーヒーなどを探しては、口にしながら去っていく姿をたびたび見かけた。マンハッタンでは、中心部の鉄道やバスのターミナル駅近くなどでとくに多い。

   街角のゴミ箱から空き缶を探し、大きなビニール袋に入れて運んでいる人を、ブティックなどの多いソーホー界隈でも見かけた。現金に替えてもらえるからだ。今はバスも空いているので、缶入りの大きな袋を引きずりながら、乗り込む人もいる。地域によっては歩道や道路には残飯やゴミが散乱し、叫びながら歩き回っている人も目立った。

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