2024年 4月 27日 (土)

20代官僚9人が「働き方改革」に乗り出した きっかけは河野氏...省庁越えた「ミライの霞ヶ関」への思い

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「独りよがりにならない」という姿勢

   プロジェクトは働き方改革以外にも、官民交流の拡大、データ分析の充実、人材の多様化、行政が持つデータの利活用促進、中長期的に政策を企画立案する専門組織を各層ごとに設置、といった「未来志向の組織づくり」に向けた施策を検討している。20~30代の若手を集めた勉強会なども実施したい考えで、さらには「SNSで勉強会の成果などを発信し、広く議論できるオープンな場づくりを企画しています」という。

   前出のnoteでは、政策立案に際して「独りよがりにならない」という言葉が何度か登場する。そこにはメンバー自身の経験にもとづく思いも反映されている。

「私は学生のころから現場の方々の思いを大事にした行政官になりたいと思っていました。大学のフィールドスタディ型プログラムで、自治体と組んで地域の課題解決に取り組んだことがあります。私は地域の当事者ではないので、住民の方々に普段困っていることや感じていることを直接聞いて回りました。

群馬県南牧(なんもく)村という高齢化率日本一の村では、救急車を呼んでも30分かかる。自分たちの車で病院に行こうとしても、付き添いの方も70歳を超えていることも多い。高齢化していったらどうしていけばいいのか分からない――。そんな話を聞いて、初めて課題に対して住民の方々と同じような認識を持てると感じました。解決策を考え、実行するにも現場の声を聞かないと、机上の空論で動きません。

もちろん、こうした経験がそのまま国の仕事に活用できるわけではありませんが、霞ヶ関は閉じるのではなくオープンに、民間企業やNPO法人など現場のいろいろな声を聞きながら、ニーズに沿った政策を作りたいと思うようになりました」(上田さん)

   別のメンバー、環境省に入省して2年目で現在内閣官房の成長戦略会議事務局に出向している古市真里奈さん(27)も、取材に対し、こんな思いを明かす。

「環境省は『霞ヶ関のベンチャー』と言われることも多いです。政策も、温暖化対策など1人1人の行動を変えていかないと解決できない課題を多く扱っています。官だけの考えを伝えるのでなく、国民の皆様に働きかけるやり方をするべきだと、入省して身をもって感じていました。だから『独りよがり』にならないように、自分たちが考えていることを等身大に感じてもらいながら、一緒に議論して考えていきたいという思いがあります」

   前出のnoteも、こんな言葉で締めくくられている。「この活動に興味を持ってくださった方は、ぜひTwitterのDMにて、ご連絡いただけると嬉しいです。『ミライ』をつくっていく一員として、ぜひ皆で一緒に議論していきましょう!」。若手の挑戦が始まっている。

(J-CASTニュース編集部 青木正典)

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