2024年 5月 8日 (水)

「描いてもらうからには対価が伴うべき」 今や月間取引3億円...Skeb創設者が語るクリエイター地位向上への挑戦

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クリエイターの抱える課題を解決したかった

   Skebの元となった「コミッション」という文化は海外で広まっていたものだが、日本にもそれに近いものがある。趣味で制作した本を売買するイベント・同人誌即売会で見られる「スケブ」文化だ。作家が購入者の持ち込んだスケッチブック(通称スケブ)にお礼として即席の絵を描いてくれることがある。

   ただしこの文化には問題点があると喜田さんは指摘する。

「スケブ文化の問題点は、無料であることです。金銭の授受がなく、本を購入していないのにもかかわらずお礼の範疇を超えた要求をする人も現れました。私は描いてもらうからには、サービスではなく対価が伴うべきだと考えました」

   そこで喜田さんは、クリエイターに有償で好きなイラストや音声をリクエストできるサービス「Skeb」を生み出した。将来的には、同人誌即売会における「スケブ文化」よりもサービスの方が知られるようになり、有料を前提とする文化に上書きしたいと意気込む。

   喜田さんがこうしたクリエイターの制作環境に興味を持ったのは、高校生の頃だった。福岡県出身の喜田さんは大学に通うために上京、そこでサブカルチャーの世界に触れた。イラスト投稿サイトなどの運営で知られる「ピクシブ」や、同人誌即売会の申込ページでお馴染みの「Circle.ms」を運営する「コサット」でアルバイトをしながら、自身も同人活動を行っていた。

   こうしたコミュニティで漫画家らと交流する中で、クリエイターを支援したいという思いが生まれ、「ニコニコ動画」の運営などで知られるドワンゴに入社した。その後DMM、パーソルキャリアと職を転々としたものの、自分の裁量でものを決められるようにしたいと2016年2月から個人事業を開始。「ドージン・ドット・タックス」というクリエイター向け税務相談サービスを立ち上げ、作家が創作活動に打ち込める環境づくりに取り組んだ。

「漫画家さんたちからは、創作活動だけに集中したいけど、日本で活動するには手間のかかることが多いという話をよく聞いていました。また私の関わりのある漫画家さん含め個人事業主の方は、年金や保険を払っていない、確定申告もしてないといった人が多かった。保険料を払ってないから病院にもかかれないという人もいました。
漫画家さんの急逝が頻繁にニュースになっていることもあり、彼らの福利厚生をどうにかしたいと思いました」
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