2024年 4月 19日 (金)

「日本一高い地下鉄」さらに割高に? コロナで消えた観光需要、京都の市営交通が置かれた苦境

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北総鉄道は値下げの可能性も...

   地下鉄・バスともに運賃値上げを検討せざるを得ない背景は、言うまでもなく2020年以降の新型コロナによる収入減少である。

   京都市交通局では2020年度に市バス全路線が赤字に転落、地下鉄は2021年度に4年ぶりの赤字予算を計上した。観光客の需要を失った交通局の事情は厳しく、既にバス・地下鉄の一日乗車券を22年10月1日から900円から1100円に値上げし、バス一日乗車券も600円から700円に値上げしている。設備投資も烏丸線全駅へのホームドア設置計画を中断することなどを決めた。

   運賃が割高なのは前出の北総鉄道も同じだが、同線は22年秋以降に運賃値下げを検討している。沿線開発が進み、1979年の開業以降初めて累積赤字を解消できる見通しが立ったためと報じられている(21年9月27日読売新聞オンライン)。建設費償還のための高額運賃がようやく解消されるかもしれない。

   建設費がのしかかっている事情は京都市営地下鉄も同様である。1981年の開業後40年になるが、特に東西線の建設工事が計画より長引いたことによる建設費の高騰が尾を引いている。東西線の建設費は1キロあたり約330億円(2010年京都市高速鉄道事業経営健全化計画より)で、東京メトロで最も高額となった副都心線の1キロあたり約280億円と比較しても高い。

   「かつてない危機的な経営状況」と交通局が20年12月発行の経営レポートで市民に発信するほどの苦境であるが、今後旅客需要だけでどれだけ回復できるかも不透明であり、京都市は国に対しても損失補填を要望している。

【J-CASTニュース編集部 大宮 高史】

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