2024年 4月 20日 (土)

宇宙アニメ「プラネテス」猛批判の元JAXA専門家が一転謝罪 投稿削除「敬意を欠いた発言でした」

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   宇宙機エンジニアの野田篤司さんが2022年1月27日、宇宙を舞台としたSFアニメ「プラネテス」をツイッターで批判したことについて「分をわきまえない不適切な発言をした」と謝罪した。

   作品を巡って25日、「何処が面白いんだ」「実際に宇宙をやっているプロとして迷惑している」などとツイートしていた。当該投稿は謝罪とともに削除されている。

  • 「プラネテス」アニメ公式サイトより
    「プラネテス」アニメ公式サイトより
  • 野田篤司さんのツイッター(@madnoda)より
    野田篤司さんのツイッター(@madnoda)より
  • 「プラネテス」アニメ公式サイトより
  • 野田篤司さんのツイッター(@madnoda)より

「軽率だったと反省しております」

   野田さんはこれまでJAXA(宇宙航空研究開発機構)で超小型衛星の開発などに携わってきた。36年間勤めたのち、21年に定年退職。その後も宇宙開発に関する研究をしている。

   1月よりNHK Eテレで再放送中のアニメ「プラネテス」は、2070年代の宇宙で「デブリ(宇宙ゴミ)」の回収作業を行う宇宙飛行士に焦点を当てた物語だ。同名の漫画を原作としている。

   野田さんは25日に「今まで見ていなかったので、義務的に再放送を3話目まで見ているのだが 何処が面白いんだ、このアニメ」とツイートし、

「軌道力学的な考察が無茶苦茶なのは、まだ許せるが、主人公だあろう新人、もし私のところに配属されたら、速攻で、不適格者としてクビだ 宇宙特にEVAを甘く見すぎている」(原文ママ)
「死にたくなかったら、誰も、こう言うのはバディとして組みたくない」

などと持論を述べた。また、

「プラネテスの影響で宇宙に対して誤解してる人が多く、実際に宇宙をやっているプロとして迷惑しているので、義務でも何でも最後まで見なくては」

とした。さらに作中の「デブリ」の演出には事実と異なる部分があると指摘。野田さんは「正直、見るのが苦痛」ともいうが、「7話まで我慢したら面白くなると言う助言を頂いた」と視聴を続ける意思を示していた。一連の投稿は作品のファンらの間で物議を醸した。

   27日夕、野田さんは「先日、Twitterにて分をわきまえない不適切な発言をしたことをお詫び申し上げます」とツイート。上記一連の投稿を削除のうえ、制作者やファンらに向けて下記のとおり謝罪した。

「同じ宇宙を目指す立場であるにもかかわらず、原作者様並びにこのアニメに関わる方々に対し敬意を欠いた発言でした。また、作品のファンの皆様に対して大変失礼な発言をしてしまったことをお詫び申し上げます。本当に申し訳ございませんでした」
「今回皆様から様々なご意見を頂き、自分の至らなさに気付かされました。当該ツイートは先程削除しましたが、その中で私が発した批判的な言葉の数々はもちろんのこと、長年愛されている作品について深く知ろうともせず発言してしまったことも軽率だったと反省しております。重ねてお詫び申し上げます」

原作者「お騒がせしました」

   野田さんが批判した25日には、「プラネテス」原作者の漫画家・幸村誠さんも作品に関して、「フィクション」「未来が舞台のボクの空想」などと強調するようにツイートしていた。野田さんの発言との関連性は明言していないものの、

「『面白くない』というご感想については、全くボクの力不足で申し訳ございません」

としている。

   幸村さんは27日昼にも、原作漫画についての話だと前置き、

「まずそもそも、かじった知識でウソばかり描いて関係諸方にご迷惑をおかけしているのはボクでして、たいへん申し訳なく思っております」

と謝罪を重ねる。作品を制作するにあたって「『面白かったら許してくれるかな』という甘い見通し」があるとしながら、

「面白くないと思う方もいらっしゃいます。当然。その人にとっては、時間を使ったのに面白くもなく、かじった知識のウソとご迷惑だけが残る」
「この上で、さらにお気持ちを害するようなことが続いては、まったくどうお詫びしたものか途方にくれてしまいます」

とする。続けて、

「お詫びしたいからしてるのです!誰にも言わされてないのです!ぜんぜんそんな、本当に、ボクは宇宙開発に携わる方々を本心尊敬しているんです、これっぽっちも対立したくないのです」

などと伝えていた。

   野田さんが謝罪したのち、同日夜に幸村さんは、

「白旗でボヤを消そうとして、その白旗が燃えてしまった。白旗ですぐ決着をつけることで早期に鎮火させようと思ったんです。お騒がせしました。以後気をつけます」

とツイートしている。

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