「仕事用」から「推し事用」に即切り替え! 「オタクの理想」具現化したリュック話題...開発者明かす製作秘話

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   パソコン周辺機器メーカー・エレコム(大阪市)が販売する「推しごとバックパック」が注目を集めている。社員のつぶやきがきっかけだが、10万件を超える「いいね」が集まるなど、SNSで共感を呼んだ。

   一見シンプルなリュックサックに見えるが、これは日常に溶け込む「擬態モード」だ。フロントの着脱パーツを切り替えると、好きなぬいぐるみや缶バッチを披露できる「推し活モード」に変身する。

   J-CASTニュースの取材に対し、エレコムは2023年4月7日、開発担当者自身が「重度のオタク」であると明かす。

  • SNSで話題のエレコムのリュック「擬態モード」
    SNSで話題のエレコムのリュック「擬態モード」
  • 「推し活モード」
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  • 「推しごとバックパック」
    「推しごとバックパック」
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  • 「推し活モード」
  • 「推しごとバックパック」
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「これで移動中は体裁を保ちつつ、現場に着いた瞬間に推し活モードに入れる」

   話題になった「推しごとバックパック」は、22年1月に発売された。15.6インチまでのノートパソコンや細かなグッズを収納できる構造になっており、「お仕事」はもちろん、アイドルや俳優、キャラクターなどのファン活動「推しごと」にも活躍するという。

   リュックのフロント部分は取り外すことができ、外した部分はサコッシュとして用いることができる。内側は大きな透明窓が設けられており、内部をバッチやぬいぐるみなどで飾り付けることができる。

   つまりフロント部分の着脱により、好きなグッズを手軽に見せたり隠したりすることができる。プレスリリースでは、グッズを隠した状態を「擬態モード」、見せる状態を「推し活モード」と称している。

   エレコム社員で、10万7000人以上のフォロワーを抱えるツイッターユーザー・マキオさんが23年4月4日、「弊社とんでもないリュック売ってて笑う」と紹介したところ、大きな注目を集めた。

   ツイートには7日までに1万8000件を超えるリツイート、10万2000件を超える「いいね」が集まり、次のような声が寄せられている。

「これで移動中は体裁を保ちつつ、現場に着いた瞬間に推し活モードに入れる」
「取り外した部分もちゃんと使えるってのが良いと思う」
「リュックの説明とは思えない『擬態モード』という単語にじわじわきますね......」

   マキオさんは、一般のユーザーのように日常やゲームに関する雑談などのつぶやきをしているが、エレコムの営業担当としてウェブメディアやVTuberとのコラボ動画にも出演している。

推し活を「気兼ねすることなく楽しむためのソリューションが必要」

   取材に対し、エレコムの開発担当者は、広報担当者を通じて次のようにねらいを明かす。

「現在、いわゆるオタク市場は成長市場といわれており、今や誰もが漫画・アニメといったサブカルチャーに触れている時代です。しかしながら TPO が最も大きな壁となっています。
人々の生活をより快適にする商品を生み出すことが弊社の使命で、開発者自身も含めですが、推し活がライフワークになっている中、それを気兼ねすることなく楽しむためのソリューションが必要だと考え、企画を進めました」

   ツイッターでは「擬態モードめちゃめちゃいいセンス」「需要を理解してる」などと、「推しごと」に対する理解の深さが話題になった。開発担当者によれば自身も「重度のオタク」だという。

「漫画・アニメはもちろん、SF・歴史ジャンルも大好きで、加えてここ数年は VTuber にもはまっています」

   一方で、企画を進めた当初は社内でも疑問の声が寄せられていたという。

「企画当初は社内の反応は初め『売り方がわからない、値段も高い、普通のバッグじゃだめなの?』といった声もありましたが、自分でも驚くほどの熱量で煮詰めていくうち、次第に『今までにない尖り方で、面白い』『なるほど、こういう世界もあるのか...』『よく考えられた商品だ』と理解いただけるようになりました」

「開発担当である私自身の理想を具現化した」

   発売当初はグレーとブラックの2色展開だったが、22年12月にはパステルカラーも加わった。一部の色ではMサイズとLサイズが用意されており、Mサイズの店頭実勢価格は税込み1万2480円。エレコムによれば、ブラック、グレージュが人気だという。

「『お仕事』のことを考えると、普段使いしやすい色を手にとられる傾向にあるかと思います」

   商品がSNSで好評を博したことについては、「商品の使い勝手については開発担当である私自身の理想を具現化した仕様にしているため、そのような反響をいただき、開発冥利に尽きます。」「また、同じニーズを持った方が実際いらっしゃったことがわかり、本当に嬉しく思います」とした。

(J-CASTニュース編集部 瀧川響子)

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