「死にたい」から「生きてて良かった」へ...手足3本失った男の11年 救急搬送時の写真で強めた「歩み続ける意志」

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「生きている限り前を向いて歩み続けたい」

   講演の資料を作るにあたり、入院した病院ということもあって、救急搬送された事故直後の写真を久しぶりに見返しました。見るも無残な手足でした。この写真を見ると改めて「助かったのは本当に奇跡だったんだ」と思います。同時に、「生きている限り前を向いて歩み続けたい」という意志も強くなりました。

   退院後、この体でいろんなことにチャレンジしています。1人暮らしや、就職して働くこともそう。この1年でも海に潜ったり、山に登ったりしてきました。今度は富士山に挑戦します。

   「何でそんなに頑張るの?」と聞かれることがあります。根幹にあるのは、20歳のあの日終わっていたかもしれない人生を、繋ぎとめてくれた人がたくさんいるから。そして、僕の姿を見て元気になってくれる人がいるからです。自分のためだけだったら、どこかでチャレンジをやめてしまっていたかもしれません。

   手足を3本失った直後、僕は「これから周りの人に迷惑をかけながら生きていくのか」という不安が強かったです。立ち直ってからはその反動で、親孝行するんだ、友達と遊ぶんだ、社会に出て働くんだと決意し、がむしゃらに生きてきました。

   そんな僕の姿を見て「勇気が湧いた」「希望の光が見えた」と言ってくれる人がたくさんいました。直接会ってきた人、僕のSNSやYouTubeを見てくれた人。色々な嬉しい声をもらってきました。

   自分が命を救ってもらった時、僕は周りの人から希望の種を植えてもらったおかげで、成長することができました。その自分が、誰かのためになることができている。そう思うと、「この命は人に希望を与えるために助けてもらったんだ」と考えるようになりました。

   人生は良いことも悪いこともたくさん起きるけど、「生きてて良かった」という思いが根幹にあるから、僕は前向きでいられます。11年前、僕を救ってくれたたくさんの人たちには感謝しかありません。今度は僕が元気な姿を見せることで、色々な人に恩返しができると思っています。

(構成:J-CASTニュース編集部 青木正典)

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