けがしたのに...なぜ人身事故でなく物件事故にされる? 弁護士が指摘する「警察のメリット」と対策法

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人身事故で届け出ることによる被害者側のメリットは

   被害者側にとって、人身事故扱いにした方が補償の面で有利になるのかというと、小林弁護士は必ずしもそうではないと言う。

「交通事故による自賠責保険の支払い件数は2020年度で約84万件あります(損害保険料率算出機構『統計集』より)。これが実際に交通事故にあってけがをした人数だと考えられます。一方で、警察に対して届けられているけが人の数は2020年で37万人程度(警察庁『交通事故統計』より)。実は人身事故として届け出ている被害者は少数派です。だからといって、人身事故の届け出をしなかった被害者が自動車保険などからの補償の面で常に著しい不利益を被っているかいうと、必ずしもそうでないと思います」

   では、人身事故として届け出たほうが良いのはどのような場合か。

「まずは、被害者として加害者に対する処罰の意思が強い場合は、人身事故として届け出た方が良いでしょう。また、過失の割合がわかりにくい事故や、どちらが加害者となるのか難しい場合においては、証拠が残っていないために賠償されるべきものが賠償されなかったということにならないためにも、しっかりと警察に調べてもらって、証拠となる記録を作ってもらうという意味で、人身事故の届け出をした方が良いケースはあります」
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