マクドナルドの価格は現在、ハンバーガー170円、ビックマックは単品450円から500円ほどだ。実は日本マクドナルドホールディングス(本社・東京)は2022年3月~23年1月に全国で3回の価格改定、23年7月には東京都心店と東名阪など準都心店をあわせた184店でさらなる値上げをしている。2023年11月1日、期間限定で「マックTHEチキンガーリックペッパー」と「ポテナゲ」を一緒に食べられる「食べくらべ大」と「食べくらべ特大」を発売した。「大」630円、「特大」980円だ。実は「特大」のそれぞれを単品で購入したら、1510円になる。レギュラーメニューでも、バーガーとポテト、ドリンクのセットで800円、900円台が複数並ぶ。大サイズやサイドメニューを増やせば、1000円を超えるかもしれない。ハンバーガー1個59円だった20年ほど前を知る人は、どう感じるだろうか。「ハンバーガー」20年間で価格は2倍強に2023年11月2日現在のマクドナルド「夜マック」でのセットメニュー価格は、公式ウェブサイトで調べると以下の通りだ(いずれも税込)。倍ビッグマックセット 1000円(パティが4枚のビックマック、ポテトL、ドリンク)倍ダブルチーズバーガーセット 950円(パティが4枚のダブルチーズバーガー、ポテトL、ドリンク)サムライマック炙り醤油風ダブル肉厚ビーフセット 900円(ポテトL、ドリンク)サムライマック炙り醤油風ベーコントマト肉厚ビーフセット 890円(ポテトL、ドリンク)過去にマクドナルドが販売した定価1000円のハンバーガーセットは、例えば2013年7月に1日限定発売した「クォーターパウンダーゴールドリング」などがある。材料にはトリュフソースやエメンタールチーズ、チョリソーなどを使用した高級感のあるハンバーガーだ。だが今日では、こうしたこだわった材料の限定商品でなく、定番メニューが1000円近い。続いて、「ハンバーガー」単品の値段はどう変わってきたかを調べた。以下の通りだ。・ハンバーガー1個の価格2002年8月:59円2008年5月:80円2014年4月:100円2019年10月:110円2022年3月:130円2022年9月:150円2023年1月:170円2023年7月:170円※2023年7月の地域別価格改定では、ハンバーガーは170円で据え置き20年ほど前の2002年にマクドナルドは、ハンバーガー1個59円のキャンペーンを展開していた。競合他店も価格引き下げを行っていたが、「59円」の反響は大きく、一度にハンバーガーを10個も20個も大量に買っていく客もいたという。一方で最近では、2022年から23年頃に、マクドナルドは原材料高騰や人件費の上昇、テナント料の上昇を理由に3度の全国価格改定と地域別価格改定を行い、ハンバーガーの価格も130円、150円、170円と値上げが続いている。「実質賃金」30年間で超低水準に日本労働組合総連合会の「連合・賃金レポート2022」は、過去30年間の名目賃金、実質賃金、消費者物価指数の推移(図1)を公開している。働く人に支払われる名目賃金は1997年をピークに右肩下がりになり、2014年から緩やかに上昇し始めている。しかし、名目賃金から物価変動を差し引いた実質賃金は、2014年以降も低水準から抜け出せない。給料はちっとも上がらず、物価ばかりが高騰。いつの間にかマクドナルドが「高級料理」に感じられる時代になってしまったのか――。J-CASTニュース編集部には、こんな意見が寄せられた。「昼食でマックに寄ることはほとんどなくなった。ハンバーガーを食べるよりも定食メニューを食べる方が腹持ち良く感じるし、マクドナルドを利用するのは、コーヒーを頼んでパソコン作業するときくらいだ」(30代・会社員)「家族4人で昼食にマックに行くと、2000円から2500円くらいかかる印象。子どもがハッピーセットを喜ぶので行く。クーポンを使うのでそんなに割高には感じない。ファミリーレストランよりもコスパがいいとは思えない」(30代・経営者)「友達と一緒にマックに行っておしゃべりしている。サムライマックが好きなのでよく食べるが、ほかの新商品が出たから食べてみようという気分にはあまりならない」(20代・学生)
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