井上尚弥はなぜ初回のダウンを切り抜けられたのか 勝負の分かれ目、識者が分析「ネリ自身が相当びっくりして...」

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

「初回のダウンシーンで一番落ち着いていたのが井上選手かも」

「井上選手の倒れ方を見ても、その後の動きを見てもダメージがあったと思います。井上選手はプロで初めてのダウンだったが、非常に冷静に対処しました。だからネリ選手は、自分のパンチが効いているか、効いていないのかの見極めがつかなかったと思います。井上選手がダウンしてびっくりしたのと同時に『本当に効いているのだろうか』と、ちょっと迷ったと思います。強打のネリ選手は相手のダウンシーンには慣れているはずですが、井上選手に効いたという雰囲気が見られなかったので、なかなか判断がつかなかったと思います」

   金平会長は初回に井上がダウンを喫したことに関連して、2つの新たな発見があったとした。

   ひとつめはダウン後の井上のリアクションだ。

「初回のダウンシーンで一番落ち着いていたのが井上選手かもしれません。セコンドや観客、視聴者を含めて井上選手だけが慌てていなかった。ネリ選手は倒してから畳みかけるという練習をしてきたと思います。それが勝利のパターンだから。ただ、実際にダウンを奪った時に井上選手のダメージの判断ができなかった。井上選手はダウンをしてまずいと思ったはずだが、すごく冷静でした。これは練習をしてできるものではない。隠れた才能。おそらく天性のもので天才たる所以でしょう。ひとつの発見でした」

   そして金平会長はこう続けた。

「『井上選手にもつけ込むところがある』と判断した関係者もいたでしょう。井上選手が打たれもろいのではなく、当然ですが、パンチを打たれれば効くし倒れるということです。これまでの試合でダウンシーンがなかっただけに、やはり井上選手も『人間なんだ』と」
姉妹サイト