プロ野球横浜ベイスターズ、日本ハムでプレーした野球解説者の高木豊氏(66)が、2025年6月11日にユーチューブを更新し、日本ハムの守護神に関して今後の見通しを披露した。
田中は「ちょっと失敗が目立つ時があるよね」
今シーズンは田中正義投手(30)が守護神を務めている。田中は18試合に登板し、防御率2.08、11セーブを記録している。
高木氏は8日に行われたセ・パ交流戦のDeNA戦を振り返りながら、田中の投球内容に言及した。
田中は1点リードの9回に起用された。
先頭の佐野恵太外野手(30)から三振を奪うも、続く牧秀悟内野手(27)にセンター前ヒットを許した。筒香嘉智外野手(33)の打席の間に盗塁され、1死2塁のピンチを招いた。
筒香を四球で歩かせ、1死1、2塁から宮﨑敏郎内野手(36)にレフト前ヒットを打たれた。2塁走者がホームに生還し、4-4の同点に追いつかれた。
田中は後続をなんとか抑え、延長戦に突入。チームは5番手・宮西尚生投手(40)が踏ん張れず、延長10回裏に1点を失い、4-5のサヨナラ負けを喫した。
DeNA戦で救援に失敗した田中について、高木氏は「ちょっと失敗が目立つ時があるよね」とし、「(本塁打を)打った人間が、(フランミル)レイエスと万波(中正)。役者が打ったし、ああいう試合は絶対に勝たせなくてはいけない」と語気を強めた。
そして、アシスタントが「新庄監督はシーズンを通して(抑えを)田中正義投手で行きますか?」と質問すると、高木氏は「それはないと思う」と即答し、こう続けた。
「ピッチャーの1番最後が崩れると全部が水の泡に」
「誰かを作った方がいいような気がする。打たれても仕方がないと思える人間と、もったいなかったなと思われる人間がいる。田中正義がチームの中で、『田中正義が打たれるのなら仕方がない』というふうに皆が割り切れると、それはそれでいい。投げている姿とか、いろいろなことを見ていると、割り切れる人間が何人いるのだろうとかと思う。それだったら誰かを作った方がいい」
守護神・田中の配置転換を提言した高木氏は、新守護神候補に、台湾出身の孫易磊投手(20)を挙げた。
「度胸が据わっている。彼が打たれても、打たれたことが次の成長につながると思える。日本に野球をやるために来ているという精神的な強さ。投げっぷりがよくて多彩。孫易磊が1番いい。先発をやりたいと思うが、チームの事情もあるし、今年は抑えということでもいいのかなと思う」
孫は23年オフに日本ハムと育成契約を結んだ。24年シーズンは2軍で力を付け、25年5月22日に支配下登録を勝ち取った。今シーズンは中継ぎとして7試合に登板し、防御率2,57、1セーブ、4ホールドを記録している。
チームは11日時点で、2位西武に2.5ゲーム差をつけ、リーグ首位を走っている。高木氏は「日本一を目指しているならば、はっきり言ってこのままじゃだめ」と、抑えの配置転換を提言し、次のように持論を展開した。
「(今シーズンは)ピッチャーで勝っている。ピッチャーの頑張りはすごい。そういう意味では、ピッチャーの1番最後が崩れるようになると、全部が水の泡になる。そこだけは避けたい。打線が打って、最後に崩れた。『これは仕方がない』と諦めがつくが、ピッチャーでゲームを作り、ピッチャーで勝ってきたチームが、1番最後にやられるのが1番きつい。そこら辺を早めに解消できるように、見ている人たちが安心できるようにしたほうがいい」
今シーズンは投手力が安定しており、チーム防御率2.34はリーグトップだ。好調な滑り出しを見せる新庄剛志監督(53)。この勢いを最後まで維持できるか。今後の采配に注目が集まる。