親の「無意識な虐待」が闇へ導く...10代少女を食い物にする「未成年ビジネス」への憤り

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   ジュニアアイドル、JKリフレ、10代の立ちんぼ......。国内での「未成年ビジネス」は大きな問題となっており、一向に消える気配がない。

   1999年に児童買春・児童ポルノへの規制が施行され、2014年以降も法を改正したのにかかわらず、未だ「ビジネス」として成り立っている。

   最近では実の親が中学生の娘に撮影モデルとして働かせ、露出面積の高い衣装やきわどいポージングがSNSで広まり、大炎上。批判が集中した一方で「親をなぜ叩くのか」、「話が大きくなれば貴重な10代モデルがいなくなってしまう。やめろ」と擁護する声も挙がり、騒動を目にした筆者は思わず閉口した。

   未成年ビジネスは悪の助長でしかなく、少女たちの未来を奪う可能性が高いのにもかかわらず、加担する人々はなんの罪悪感も覚えない。それどころか、大人である自分たちが責められると、判断能力の低い子どもに罪をなすりつけてしまうのだ。

  • 「未成年ビジネス」の闇とは(写真はイメージ)
    「未成年ビジネス」の闇とは(写真はイメージ)
  • 筆者のたかなし亜妖さん
    筆者のたかなし亜妖さん
  • 「未成年ビジネス」の闇とは(写真はイメージ)
  • 筆者のたかなし亜妖さん

「禁忌」に手を染める背徳感

   日本男性の多くが「若くて可愛らしい少女を好む傾向が強い点」を指した皮肉として、「日本はロリコン大国」なんてフレーズがある。なぜこのように言われるのか? 児童ポルノ法が施行される以前は、10代のジュニアアイドルを取り扱う雑誌やビデオが販売されていた。幼い子どもを愛する男性はブームに乗っかり、ものすごい勢いでコンテンツへと群がった。その影響もあってなのか、現在でも少女を神格化し、10代を恋愛対象とするような人が出てくる。

   とはいっても、その手の性的嗜好を持つ男性だけで未成年ビジネスは成り立たないもの。危うげな商売が大きな利益を生み出すには、「10代に触れる禁忌」に触れるねじ曲がった大人の存在が関係している。余計な好奇心によりディープな思考が強まり、彼らは少女を悪気なく「食い物」にしてしまう。

   違法JKリフレ通いがやめられずにいたという、ある既婚者男性Aさんの話。Aさんにとって未成年は恋愛対象外だったが、リフレをきっかけに、世間知らずの少女と遊ぶことに妙な背徳感を覚えてしまった。

   チップを渡せば過剰サービスへ走る女の子を見て「褒美さえ渡せばなんだってする、そんなペットのような従順さがたまらなかった」と言っている。

   小児性愛者だけではなく、大人が持つ行き過ぎた欲求が未成年ビジネスを助長させているといってもいい。だが、引っかかる男性が絶えないからこそビジネスの根絶が難しいのだろう。

親や少女は理解しているのか?

   現代における未成年ビジネスはギリギリの部分を攻めるため、限りなく「クロ」寄りのグレーであると筆者は考える。

   群がった男性の数が収入へ直結することを知り、金に目がくらんだ親が子どもを売り物にする事例も少なくない。素肌の露出が多く、カメラマンとの距離が極めて近い撮影会に参加させたり、成人した男性客をターゲットとしたキッズアイドルデビューなどがそれだ。

   よく「嫌だったら親に反抗でもして、やめればいいじゃないか」なんて子どもに対する指摘がとんでくるものの、少女は現実をほとんど理解していないことがある。JKビジネスに手を染める学生だって、究極のところまで進んでから己の過ちにようやく気づくことすらあるのだから。幼ければ幼いほど危機管理能力が低いと考えれば、反抗してやめればいいなど的外れな指摘を目にするたびに筆者は憤りを覚える。

   自ら好んで、男性客の前で水着姿になる子供などいやしない。悪質な大人たちの「操り人形」と化した少女たちは、現実を理解した頃にひどく苦しむ。親の「無意識な虐待」により心が荒み、最悪の場合は身内に未来を奪われてしまう。こうなれば、1人の人間の人生が丸ごと潰れるのだ。

   未成年ビジネスの闇は深く、肉親など近しい人物でさえ加害者となり得る。少女たちを魔の手から守るためには、まず周りの大人がハッキリとした意識を持たねばならない。また、若さがお金に変わる恐ろしい現実を子どもたちに伝え、親が加担するなど言語道断なのである。

   うら若き乙女を利用する行為は、立派な搾取行為でしかない。大人が10代の未成年に対し、欲求ぶつけるのはおかしいことを強く主張し、「(未成年ビジネスが)あって当たり前のもの」という認識は取り払うべきだ。



【プロフィール】
たかなし亜妖/2016年にセクシー女優デビュー、2018年半ばに引退しゲーム会社に転職。シナリオライターとして文章のイロハを学び、のちにフリーライターとして独立する。現在は業界の裏側や夜職の実態、漫画レビューなど幅広いジャンルのコラムを執筆中。

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