井上尚弥戦「2度キャンセル」グッドマン、陣営が明かした失望と悲しみ...対戦せずとも「敗北したような感覚だった」

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   米ボクシング専門メディア「ボクシングシーン」(ウェブ版)が2025年8月11日、WBA世界フェザー級5位サム・グッドマン(オーストラリア、26)の特集記事を公開。グッドマンのプロモーターを務めるジョージ・ローズ氏が、2度にわたってキャンセルとなった井上尚弥(大橋、32)戦について当時の心境を語った。

  • サム・グッドマン選手(本人インスタグラムより)
    サム・グッドマン選手(本人インスタグラムより)
  • ボールVSグッドマン(グッドマンインスタグラムより)
    ボールVSグッドマン(グッドマンインスタグラムより)
  • サム・グッドマン選手(本人インスタグラムより)
  • ボールVSグッドマン(グッドマンインスタグラムより)

井上戦が正式に中止となり「さまざまな感情が交錯」

   当時、IBF・WBO世界スーパーバンタム級1位だったグッドマンは、24年12月24日に井上に挑戦する予定だった。ところが、12月14日の練習中に左目上をカットしたため、試合は25年1月24日に延期となった。

   井上戦に向けて仕切り直しとなったが、またもグッドマンが練習中に左目上を負傷。今度は延期ではなく、試合中止となった。井上は、グッドマンの代替として、WBO同級11位キム・イェジョン(韓国)を相手に防衛戦を行った。

   世界的スーパースター井上とのビッグマッチを、2度にわたってキャンセルせざるを得なかったグッドマン。スーパーバンタム級での挑戦を諦め、階級を1つ上のフェザー級に上げ、16日にWBA世界フェザー級王者ニック・ボール(英国、28)に挑戦する。

   このような背景の中、ローズ氏は、「ボクシングシーン」の取材に対して、井上戦が消滅した際のグッドマンや陣営の心境について、赤裸々に語った。

   同メディアは、「『失望、衝撃、そして悲しみ』サム・グッドマンが標的をニック・ボールに変えた」とのタイトルで記事を公開した。

   記事によると、ローズ氏は井上戦が正式に中止となった際、「さまざまな感情が交錯した」とし、当時の心境を次のように振り返った。

ファイトマネー当て込んでローンでマイホーム購入

   「衝撃、失望、そしてサムが失ったものを知ったときは失望した。スーパーバンタム級の選手なら誰でも夢見る試合、その試合に出場するチャンスだった。伝説の選手と戦うこと。彼(井上)は100年に1人しか出現しないような選手だ。彼とリングを共にするのは、どんな選手にとっても大きな瞬間であり、サムは、4団体の世界タイトルを争うために、彼と戦い、打ち負かすチャンスがあった」

   そして、こう続けた。

   「日程を変更して再試合が決まったが、また同じことが起こった。また同じこと、つまりショックだった。『これは現実ではない、実際に起こったことではない』と。関係者全員にとって、失望と悲しみだけだった。それはまさに敗北のような感覚だった。試合はまったく行われていないのに、敗北したかのように感じた。準備のために全力を尽くしていたからだ」

   地元オーストラリアメディアによると、井上戦のファイトマネーは100万ドル(約1億4700万円)だったという。

   グッドマンは井上戦のファイトマネーを見込んで、ローンを組んでマイホームを購入したが、あてにしていたファイトマネーを手にすることができず、経済的に困窮したという。食べる物にも困り、飼っていた犬の餌を食べて空腹をしのいだこともあったという。

   グッドマンが挑戦するWBAフェザー級王者ボールは、プロ戦績22勝(13KO)1分けで、井上の対戦候補にも挙がった王者だ。一方のグッドマンは20勝(8KO)無敗。果たして井上戦キャンセルが報われるのか。グッドマンの世界初挑戦に注目が集まる。

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