タクシー運転手を脅迫・暴行したとして書類送検されたダンス&ボーカルグループ「三代目JSOULBROTHERS」の今市隆二メンバーに対し、被害者側が2025年8月28日に謝罪と和解を受け入れ、両者の示談が成立したと被害者の代理人弁護士が発表した。被害届が取り下げられ、検察は立件しないとみられる。運転手は恐怖を感じ、事故を起こす心配があった今市メンバーは4月5日早朝、東京都内で酒に酔ってタクシーに乗り、運転席の後ろのアクリル板を殴り、運転手に「殺すぞ!」と脅し、腕を引っ張ったという。運転手は恐怖を感じ、事故を起こす心配があったという。その場で逮捕されてもおかしくない暴力行為だった。タクシーの運転手と料金や道順をめぐって口論になった経験は、多くの人にあるだろう。これは都内に限らない話で、関西の大手タクシー会社では、接客トラブルは1台当たり年に数回程度あり、乗客が飲酒していることが多いという。トラブルになれば、警察沙汰にならなくても、後味は悪いし、カスタマーハラスメントで訴えられることもある。ただ、客のクレームがエスカレートしたケースの半数で、口の利き方など運転手側の対応に問題があったとするタクシー会社の調査もあるから、乗客側が一方的に悪いということでもなさそう。まあ、売り言葉に買い言葉なのだが、ではタクシーでトラブルにならない注意点は何か。「わざと遠回りしたのではないか」と思っても冷静に運賃に関するトラブルのほとんどは、「いつもより高い」というクレームだろう。「わざと遠回りしたんじゃないのか」と詰問して言い争いになる。明らかに運転手が道を間違えたときは、冷静に交渉すれば「では、いつもの料金で」と応じてくれることが少なくない。応じてもらえないときは、メーター通りの料金を払って領収書をもらい、会社と交渉する方法がある。ドライブレコーダーと照合すれば、「遠回り」だったかどうか判明する。間違っても、「払わん!」なんて大声を出してはいけない。無賃乗車扱いされかねない。「行先が違う」というトラブルを避けるには、とにかく目的地を明瞭に細かく伝えること。たとえば、「日比谷と渋谷」「千駄ヶ谷とセンター街(渋谷)」などは聞き間違えられやすく、青葉台は東京・目黒区にも横浜市にもある。道路の目的地側に付けるのか、反対側でもいいのかも運転手には重要な情報だ。客にいきなりスマホの地図を見せられると、操作がわからなくて困るそうだ。クルマが止められるところでいったん停車、ナビに入力してもらうほうが間違いはない。また、割高にはなるが、配車アプリで乗車地、降車地を入力し、事前確定料金を確認すれば、運賃トラブルも行先トラブルも避けられる。(シニアエディター関口一喜)
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