弟には小麦アレルギーがあり、兄弟でラーメンを食べられない――。作文コンクールで大賞を受賞した小学生の作品を受け、とんこつラーメン店「一蘭」が、小麦を使わないグルテンフリーの麺を開発し、家族を店舗に招待した。この取り組みがSNS上で大きな反響を呼んでいる。
「温かい対応に心から感動しました」
一蘭の公式Xアカウントが2026年1月16日と29日に投稿した内容によると、きっかけは、読売新聞社主催の「第12回こども作文コンクール」で大賞を受賞した小学生の作品だった。
大賞を受賞したその作文は一蘭のラーメンをテーマにし、自身の弟が小麦や卵などのアレルギーを持っているため、一緒にラーメンを食べられないと伝える内容だった。そして、兄弟で食べることが「ぼくの夢」だとつづっていた。
一蘭はXで16日、「ご兄弟で並んでお食事を楽しんでいただけるように、一蘭としてできることを精一杯考え、対応させていただきたいと思います」と言及。その後29日、グルテンフリー麺を開発し、作文を書いた小学生とその家族を店舗に招待したと明かした。
29日の投稿では、カウンターに並んで座る兄弟の姿を写真で紹介。この投稿が2月2日18時時点で約1万8000件もの「いいね」を集めるなどSNS上で注目を集め、「涙が止まらない」「こんな温かい対応に心から感動しました」「本当に素晴らしい」などの声が上がった。
初めて一蘭のラーメンを食べた弟の様子は?
では、開発に至る経緯はどうだったか。一蘭が1月30日、J-CASTニュースの取材に応じた。それによると、同社の吉冨学代表が親友から連絡を受け、掲載された作文を読んで感動したという。そして「弟様にも一蘭のラーメンを召し上がってほしい、兄弟で一蘭のカウンターに並んで食事していただきたい」という思いから、グルテンフリー麺を開発することにした。
作文を書いた小学生と弟、家族は1月22日夜に来店。全員が「緊張された面持ち」だったが、初めて家族全員で来店できたため「全員で来れたことが嬉しい」という言葉があったという。ラーメンを食べた弟の様子については次のように説明した。
「まずスープと麺を食べて『美味しい!』と喜んでくださっておりました。また、オーダー用紙の記入などの弊社独自のシステムもお楽しみいただけたようで、特に替玉プレートを置く際には、夢が叶って少し泣きそうだったとも仰っていたようです」
同社では、より美味しいラーメンを目指し、グルテンフリーを含めたさまざまな麺の研究を日頃から行っているという。今回の麺は急ピッチで開発し、約1か月かかった。
小麦を使わないことで生地がつながりにくかったり、一蘭のスープと合わなかったりする問題もあったが、材料の配合を変えて何度も試行錯誤を繰り返した。最終的に「一蘭として納得のいく味」に仕上げることができたと、同社は述べる。
一蘭のグルテンフリー麺は今回限りの取り組みだが、SNSでは一般提供を望む声もある。同社は「とにかくご兄弟に美味しく召し上がってほしいという想いで開発したもののため、今後についてはまだ何も決まっておりません」と話している。