「内定承諾を強いる」「了承なく面接が設定」 相次ぐ就職エージェントの「オワハラ」、各大学が注意喚起

   就職活動をしている学生に対し、一部の就職エージェントが悪質な「オワハラ(就活終われハラスメント)」を行っているとして、各大学がX上などで注意喚起している。

   内定辞退なら費用を請求すると迫ったり、勝手に企業の面接をセットしたりするケースなどがあるという。注意喚起した立教大学のキャリアセンターに話を聞いた。

  • オワハラのケースが(写真はイメージ)
    オワハラのケースが(写真はイメージ)
  • 厚労省も注意喚起している
    厚労省も注意喚起している
  • オワハラのケースが(写真はイメージ)
  • 厚労省も注意喚起している

「今この場で他社の選考辞退の電話をかけろ」と迫った例も

「現在、数名の学生から、一部の就職エージェントによる悪質な『オワハラ(就活終われハラスメント)』の報告が入っています」

   中央大学のキャリアセンターは2026年3月17日、公式サイトのお知らせでこう切り出した。

   重要な「就職エージェントによる内定承諾の強要(オワハラ)および不当な金銭請求に関する注意喚起」だとして、いくつかの項目を挙げている。

   まず、悪質な「オワハラ」の事例として、3つのケースがあるとした。1つは、「内定を辞退するなら、これまでに費やした採用コストや研修費を請求する」と示唆するような脅しだ。2点目は、他社辞退を強いるもので、「今この場で他社の選考辞退の電話をかけろ」と迫られるという。3点目は、「他社の選考を続けるなら、今の内定を白紙にする」と詰め寄られるケースを挙げた。

   続いて、「金銭請求に根拠はありません」とキャリアセンターの見解を伝えた。

「企業が採用活動にかかった費用(広告費や人事の工数など)を、内定辞退した学生に請求することは法的に認められません。また、入社前の事前研修などの費用についても、労働契約が成立していない段階での請求や、労働を強制するための賠償予定(違約金)の設定は、(編注:「賠償予定の禁止」を定めた)労働基準法第16条等に抵触する可能性が極めて高いものです」

   そして、次のように「学生の皆さんへのアドバイス」を行った。

「金銭の話を出されたら、恐怖心からその場でサインをしたりせず、『大学のキャリアセンターに確認します』と伝えて一度距離を置いてください」
「不当な要求を受けた日時、担当者名、具体的な発言内容(『金銭請求する』と言われた等)をメモや録音で残しておいてください」

   一部の就職エージェントに対しては、立教大学のキャリアセンターも19日、悪質な行為を止めるように要請するメッセージを公式Xで出した。

「学生は立場が弱いので、大人が強く出やすい傾向」

   立大キャリアセンターによると、学生からは、「特定企業の内定承諾を前提に、他に選考中の全企業の辞退を証明する資料提出を求められる」「本人の了承なく面接が設定される」「興味のない企業を強く勧められる」「1日に10回以上電話がかかってくる」といった相談が寄せられているという。キャリアセンターでは、一部エージェントに向け、「進路選択の主役は学生です」と訴えている。

   立大キャリアセンターは3月24日、J-CASTニュースの取材に対し、こうしたケースの具体的内容について説明した。

「オワハラでは、内定がほしいなら他企業を辞退するように求めたり、内定を告げて正式な辞退証明書を出させたりするエージェントがありました。エージェントが勝手に企業に応募してしまうケースでは、学生が強く言えば応募を断れますが、『絶対に受けた方がいい』と執拗に勧めてきます。面接を行うまでミーティングが終わらなかったケースもありました」

   就職エージェントは、ここ3年ぐらいで学生の利用が増えているといい、それに伴って、相談も年々増えている。25年度は、100件以上が寄せられていると明かした。一部に悪質なエージェントが見られる背景については、こうみる。

「売り手市場の中で、人手不足の企業は、いい人材を採用したいとエージェントと契約しています。学生は立場が弱いので、大人が強く出やすい傾向があるのだと思います。社会に出ていない学生も、強く言われると反論できなくなってしまいます。中には、研修費や贈り物を返すよう求められるケースも聞いており、エージェントには大学からまだ申し入れまでしていませんが、まず学生に注意喚起することにしました」

   学生に対しては、次のように、エージェントを利用する際の自覚を求めた。

「確かに、内定がなかなか出ない場合にも紹介してもらえますので、エージェントが合う学生もいると思います。しかし、ベンチャーなど知らない企業ばかり紹介してくるとして、登録だけして利用しない学生がほとんどです。エージェントを利用する学生にも責任があり、むやみに登録しないように大学でも就職ガイダンスなどで呼びかけています」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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