ともに「ブーム」を引き起こす
先に漫画家として成功したのは白土さんだった。59年からスタートした『忍者武芸帳 影丸伝』が大ヒット、62年まで全17巻を刊行した。63年には、『サスケ』『シートン動物記』で第4回講談社児童まんが賞を受賞した。
『白土三平伝 カムイ伝の真実』(毛利甚八著、小学館)によると、64年、『サスケ』の印税をもとに自費で青林堂から新雑誌「ガロ」を創刊、大作『カムイ伝』の連載を始める。最下層の身分に生まれたカムイを主人公に、不条理な封建社会への怒りが渦巻く物語だ。60年代の時代状況ともマッチ、熱狂的な支持と共感が広がり、「白土ブーム」を呼びおこした。
「ガロ」には、才能にあふれた多数の若手が集まった。その中で最も注目を集めたのが、つげさんだった。67年には『山椒魚』『李さん一家』『紅い花』など。68年には『オンドル小屋』『ほんやら洞のべんさん』『ねじ式』『ゲンセンカン主人』『もっきり屋の少女』などの名作を毎月のように発表、「つげブーム」を引き起こす。
『美味しんぼ』原作者の雁屋哲さんは、「大学生の時に、つげ義春の『ねじ式』を読んで、天地がひっくり返るような衝撃を受けた」(「つげ義春と私」)と語っている。