会見や取材、SNSで言いたい放題の発言を繰り返すアメリカのトランプ大統領。世情を無視したあまりに支離滅裂な発言の数々に、CNNまでもが「トランプ氏の精神衛生状態に疑問の声」と報じるに至っている。
どうやったらトランプに憲法修正第25条を使えるんだ
そもそも、トランプ氏が大統領に返り咲いた2024年、勝利演説でアメリカ・ファーストを掲げ、戦争への不介入を宣言していた。
ところが、今年に入ってからベネズエラへ攻撃を行い、マドゥロ大統領(当時)を拘束。さらにはイスラエルとともにイランを攻撃するなど、軍事行動を活発化させた。
とくに今月に入ってからは、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」でイランに対して「狂った野郎ども」「今夜、一つの文明全体が滅び、二度と戻らないだろう」と暴言を連発している。
これには反トランプ勢力のみならず、トランプ氏の岩盤支持層である「MAGA(アメリカを再び偉大に)」の中からも疑問の声が出はじめているという。
かつてトランプ大統領を支持し、メディアから「陰謀論者」とまで評されたアレックス・ジョーンズ氏までもが、テレビ番組でイランの民間インフラへの攻撃を示唆したことを非難し、
「どうやったら彼に憲法修正第25条を使えるんだ」
と吐き捨てた。
アメリカの憲法修正第25条は、大統領が死亡など職務不能に陥った場合の手順を定めた条項だ。
その第4節では、副大統領と閣僚の過半数が「大統領が権限および職務を遂行できない」と判断した場合、大統領職が副大統領に移ることが定められている。
支離滅裂な発言は今に始まったことではないが......
トランプ大統領の支離滅裂な発言は今に始まったことではない。とりわけ領有を主張していた「グリーンランド」をダボス会議で「アイスランド」と何度も言い間違えたことは記憶に新しい。
79歳という年齢や、こうした発言が表面化したことも影響してか、トランプ大統領は何度も認知機能検査を受けており、そのたびに問題がなかったと高らかに宣言してきた。
となれば、単に言葉が軽いだけなのかもしれない。
たとえば2026年3月の日米首脳会談。トランプ大統領は日本の高市早苗首相を「親友」と呼び、熱い握手を交わした。
しかしその直後、SNSでは、
「日本はホルムズ海峡の護衛に一銭も払おうとしない。米兵の命をタダだと思っている。恩知らずだ。彼らが『事情はわかっている』などと言うのは、単なる時間稼ぎに過ぎない」
と吐き捨てる。
彼の好む言葉で言えば国家間の「ディール」なのかもしれないが、一国のリーダーとして、あまりに信頼に欠ける態度ではないだろうか。
ニューヨーク・タイムズは挑発的な表現
こうしたトランプ大統領の近況には、メディアの報道も過熱している。
CNNでは、アメリカ民主党のジェイミー・ラスキン下院議員が、ホワイトハウスの主治医に対し、大統領に改めて認知機能検査を行うよう要請したと報じている。
ラスキン氏は、イランとの戦争が議会の同意なしに、アメリカ軍の統帥権者である大統領によって始められたものだとしたうえで、「国民は最高司令官が職務遂行に必要な精神能力を備えていると信頼できなければならない」と指摘したという。
そして、最も挑発的な言葉でトランプ大統領を評したのがニューヨーク・タイムズだった。
「老獪なキツネのように狂ったふりをしているのか、それともただ単に狂っているのか」