電車や新幹線では、天候の影響による運行トラブルがたびたび発生している。とくに台風や大雨の際には、安全確保のために長時間運転が見合わせとなるケースもあり、車内で足止めされる乗客の負担は小さくない。会社員の斉藤健一さん(仮名・50代)は、東京出張の帰り、新幹線の車内で長時間足止めされる事態を経験した。台風の影響で新幹線が停車...見通し立たず車内に閉じ込められる斉藤さんは昼前に東京駅を出発し、京都駅へ向かっていた。出張も無事に終わり、あとは帰るだけという状況だった。「いつも通り、数時間で京都に着くと思っていました」しかし移動中、台風の影響で天候が急激に悪化し、静岡県の三島付近で新幹線が停車した。「少し待てば動くだろう」と考えていたが、車内アナウンスが入るたびに、運転再開の見通しが立っていないことが伝えられたという。「アナウンスを聞くたびに、不安が募りましたね」指定席に座れてはいたものの、長時間「その場」から動けない状況は想像以上にこたえた。周囲を見渡すと、運行情報をスマートフォンで何度も確認する人や、家族と職場に連絡を入れる人の姿が目立った。「みんなが落ち着かない様子で、疲れた表情をしていました」斉藤さんも会社に連絡をしたが、いつ到着できるのか分からない状態が続き、説明しながら気持ちが重くなっていったという。「あとどれくらい待つのか分からない」先の見えない時間が精神的負担にとくにつらかったのは、「あとどれくらい待てばいいのか」が分からないことだった。「少し遅れるくらいなら我慢できますけど、終わりが見えないのはきつかったです」台風による影響のため、怒りの向け先もない......。状況が変わるのを待つしかない時間が続いた。気づけば、車内に閉じ込められてから「5時間以上」が経過していたそうだ。昼前に東京駅を出発したはずが、京都駅に到着した頃にはすっかり夜になっていたという。「普段なら何事もなく終わる移動ですけど、その日は一日分の体力を奪われた感覚でした」新幹線は、時間に正確で快適な乗り物という印象が強かっただけに、自然の影響でここまで状況が変わるのかと実感した。「長時間閉じ込められると、体だけでなく『気持ちまで削られる』ことを感じました」電車や新幹線のトラブルの中でも、長時間の足止めは乗客に大きな負担を与える。とくに、再開の見通しが立たない状況では、精神的な影響も小さくないようだ。
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