ハンタウイルスが原因だと疑われるクルーズ船集団感染の問題について2026年5月7日放送の「大下容子ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)が取り上げたが、このウイルスに関してはまだまだわからないことが多いようだ。それだけに、対応策も難しい。ヒトからヒトへ感染した事例も発端は、アルゼンチン発のクルーズ船で「ハンタウイルス」による疑いのある集団感染が発覚したことに始まる。乗客のオランダ国籍の夫婦とドイツ国籍の女性3人が死亡する事態になっている。このハンタウイルスとはネズミなどの齧歯類にかまれたり、排泄物の粉塵などを吸引したりするなどして感染するもので、高熱や呼吸困難を引き起こす。乗客の中には日本人も含まれているというが、感染は確認されていない。さらに6日、スイス連邦公衆衛生局は乗船していた男性がスイスに帰国し、新たに感染が判明したことを明らかにした。また、クルーズ船で感染した男女2人を受け入れ、検体からウイルス調査を進めていた南アフリカは、クルーズ船で拡大したハンタウイルスの種類がアンデスウイルスだと特定した。厚労省などによると、ハンタウイルスは、アジア・ヨーロッパ型とアメリカ大陸型の2つの型に分けられるという。南アフリカ当局が確認したのは後者のアメリカ大陸型のアンデスウイルスで、南米で多く確認されており、重症化しやすくヒトからヒトへ感染した事例もあるという。船内にネズミが入り込み、糞尿の粉塵を吸い込んだ恐れ東邦大学感染制御学教授の小林寅喆さんはアメリカ大陸型について「肺へのダメージが非常に多くて、非常に高い致死率だと言われている。それぞれの症状が出た時に対応していくというような方法しかないので、特効薬はないと考えていい」と話す。クルーズ船への感染経路について小林さんは「船内に実際にネズミが入り込んで、その糞尿が粉塵になってそれを吸い込んだケースも考えられる。たとえば、寄港していた場所でこのようなウイルスとの接触があったネズミが船に乗り込んで、船内で感染が起きたということも考えられる」と話す。対処法はあるのか。小林さんは「有効なワクチンや治療薬がない。感染の流行が報告されている国や地域への旅行はできるだけ避けることが望ましい」と話す。日本国内での感染拡大の可能性は低いとされるが、細菌は国境を超える、甘く見ないほうがいい。(ジャーナリスト佐藤太郎)
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