日本橋三越本店(東京都中央区)のイタリア展でサンドイッチを販売した店が、調理手袋で試食する様子を撮った動画を投稿し、不衛生だと批判を浴びてインスタグラム上で謝罪した。
三越側も、「不適切な衛生管理」だったとして、公式サイトで謝罪している。三越から報告を受けた中央区保健所は、事実確認中だとしたうえで、「一般論として、そのまま調理するのは衛生的でない」と取材に答えた。
マスクや調理帽も着けていなかった
店主とみられる女性が、Tシャツの上にエプロンをした姿で、ローストビーフのカットなどをしている。隣のスタッフは、マスクや調理帽を着けていたが、この女性は、していなかった。
「私の1番好きなサンド 限定販売してるよ」。こんなコメントが画面に表示されると、黒い調理手袋をした手でローストビーフ1切れを口に入れ、試食する。モグモグ食べながら、「美味しい」とつぶやいていた。
この動画は、イタリアのパン「フォカッチャ」を使ったサンドイッチ販売店「FOCACCIAMO」(大阪市)のSNS上で投稿された。この店は、2024年10月にオープンしてから、テレビでも度々取り上げられた人気店だという。三越では、26年4月22日~5月6日の会期で開かれたイタリア展に出店し、動画は初日の様子を撮ったとしている。
ところが、5月4日ごろになって、調理手袋で試食した後、調理するなどしたのではないかとして、ネット上で不衛生だと批判が相次いだ。
この炎上騒ぎを受けて、店の公式インスタグラムは5日、「お詫びとご報告」と題する謝罪文を投稿した。
謝罪文では、動画投稿で「多くのお客様および関係者の皆様にご不快な思いとご心配をおかけしました」とお詫びし、「本来、食品を取り扱う事業者として、いかなる場面においてもお客様に不安を与えない配慮と行動が必要であり、その点において配慮が欠けておりましたことを深く反省しております」と述べた。
そして、「日頃より弊社では手袋の適切な交換、手洗い・消毒の徹底、調理工程ごとの衛生管理を実施しております」としながらも、試食などの明確なルール化や調理時の手袋・手洗い・消毒の再徹底などの対策を行うと説明した。
三越本店も「今回の事案は明らかに不適切なものであると認識」
投稿した動画についても、すでに削除対応を行ったことも明らかにした。「今後はより一層、衛生管理および運営体制の強化に努め、信頼回復に取り組んでまいります」と結んでいる。
店が出店した日本橋三越本店も5月5日、「催事出店者における衛生管理についてのお詫び」と題するお知らせを公式サイトに出した。
そこでは、店のスタッフが不適切な衛生管理行為を行ったとして、「お客さまにご不安、ご不快の念をおかけいたしました」とお詫びをつづった。そして、スタッフの行為について、「当社は食品衛生を最優先事項と位置づけ、その徹底に取り組んでまいりましたが、今回の事案は明らかに不適切なものであると認識しております」と断じた。
また、「本案件については保健所に報告・相談のうえ、衛生管理体制の強化、今後の出店審査基準の見直しを速やかに行い、再発防止策を徹底いたします」と付け加えた。
三越を管轄する中央区保健所の生活衛生課は7日、J-CASTニュースの取材に対し、三越側から報告や相談があったことを認めた。
食品衛生上の問題があったか事実確認中だとして、「対応はこれからですが、必要に応じて衛生上のアドバイスをしたいと考えています」と答えた。健康被害発生の報告は受けていないという。
調理手袋で試食することについて、一般論だとしたうえで、「他の物を触ってから調理するのは、衛生的ではありません。リスクを減らすため、触った手袋は交換した方がいいでしょう」と指摘した。マスクや調理帽については、「帽子をしないと、毛髪が落ちることも想定されます。異物混入は衛生的ではありません。マスクや帽子の着用は、推奨されると思います」とした。
動画を投稿した店では、店主とみられている女性が調理手袋で試食する様子を撮った動画を2月も投稿しており、5月7日夕現在も削除されていない。なぜこうした動画を撮ったのかなどの点について、店にも取材を申し込んでいる。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)