2026年6月19日、国会議事堂前では「NO WAR!憲法変えるな!6・19国会正門前大行動」と銘打たれた、戦争や憲法改正に反対する集会が開かれ、約2万6000人が集結。同日、同趣旨の集会や街頭スタンディングが全国47都道府県の約300カ所で行われた。
東京都中野区を拠点に活動する市民団体「反戦なかのコレクティブ」は、中野駅周辺で連帯企画となる「中野でも!パブリックビューイング」を開催。約300人(主催者発表)の参加者たちが、反戦や平和を訴えるプラカードやペンライトを掲げ、平和の実現と反戦の意思を表明した。
「大人になることを怖がらせないでください」
中野駅北口のロータリーに巨大なシアターが設置され、国会議事堂前で実施されているデモの様子が映し出されるユニークな形式だった(登壇者が自身の思いを口にすることや、スピーカーによるコールの先導などはない)。同形式のデモは5月にも実施されていたが、今回も「戦争反対」「憲法守れ」など、国会前にいるスピーカーの声に合わせ、その映像を見ている人たちも声を上げていた。
国会前ではデモの妨害行為があったことがSNSで報告されていたが、中野駅ではそういった行為は見られなかった。ただ、通行人の目につく場所で行われているため、興味を示す人がいる一方で、冷ややかな視線を送る人も一定数見られた。参加者は女性の割合が高い印象で、見た限りでは7~8割が女性だった。
映し出された国会前のデモでは、間もなく成人(18歳)になるという高校生が登壇し、「成人として扱われるようになり、改憲され戦争が始まると徴兵されるかもしれない。怖いです。嫌です」「やっと少し自分の未来が見えてきたところです。やりたいことがあるんです。なりたいものがあるんです。未来を歩むためには平和が不可欠なんです」と吐露。
続けて、「大人のみなさん、政治に、ご自身の生活に関心を持ってください」「大人になることを怖がらせないでください」と声を震わせながら訴える一幕があった。その様子を中野の参加者は固唾を飲んで見守っていた。
「次の衆院選・参院選までに、いろいろな法案が通されてしまうのでは」危機感
参加者に直接話を聞いた。会社員の30代女性は「政治に対するメッセージは選挙で伝えればいいと思っていましたが、そんな悠長なことも言ってられないと感じました。次の衆院選・参院選まで時間がある間に、いろいろな法案が通されてしまうのではないかと」と危機感から参加したという。
会社員の20代女性は「数の暴力でいろんな法案を通している。対話が全くない姿勢に怒りを覚えます」「自民党の憲法草案では97条(基本的人権の本質)も削除されていて、明確な悪意を感じます」と語る。
会社員の30代女性は「9条があることで、国際的に日本は平和憲法を持った国だと認識されています。だからこそ、1945年の終戦から今日まで戦争は起きなかった。にもかかわらず、日本自ら改憲して、それを手放すことは理解できません」と語った。
高市早苗内閣の強権的な態度、さらには改憲に前向きな考え方への不満が聞かれたが、建設設計に携わっているという20代女性は「塗装材も断熱材も手に入らず、正規のルートでは必要物資が手に入らない現状にあります」とし、「イランは攻撃された側ではありますが、それでも日本に歩み寄る姿勢を見せてくれました。なのに、誠実な対応を見せない高市首相には怒りを覚えます」と答える。
会社員の40代女性は「イランが交渉の場を設けようとしているのに交渉しないというのが信じられません。自分自身、生活に余裕があるほうではないので、『このままでは物価がさらに上がる』と想像して、居ても立っても居られなくて参加しました」と不快感をあらわにした。
メディアへの不満も「可決される前から時間をかけて報じてほしい」
現政権だけではなく、今回はメディアに対する不満を口にする人も目立った。30代女性は「これだけの人が集まって意思を表示しているということが、通行人の方にも伝わればと思っています」と参加理由を口にした後、「メディアも、人が増えてきているんだからそろそろ取り上げてほしい」と話す。
フリーランスの50代男性は「デモに足に運び続けることで、ちょっとずつ広げていくしかありません。最終的には大手メディアが取り上げない限り、私たちの声や意思を国会に届けることは難しい。それでも今何もしないわけにはいかない」と語気を強める。
会社員の50代男性は「国民投票法が衆議院本会議で可決されましたが、メディアは可決されてから『この法案がどういうものなのか』を報じます。そうではなく、可決される前から時間をかけて報じてほしい。スポーツ速報とかもいいですが、その時間を少しでも政治に割いてほしいです」と語った。
また、国会前でデモが実施されているが、中野駅周辺に足を運んだ理由として、会社員の30代女性は「国会には人が集まるだろうと思ったので、別のところに参加して分散されたほうがいいかなと」と話すなど、さまざまな声を聞いた。
(望月悠木)