中国当局はレアアースの加工品を日本に持ち出そうとしたとして、「富士電機」大連勤務の日本人社員2人を「国家輸出入禁止貨物密輸罪」で拘束した。冷え切っている日中関係がさらに険悪になると心配されているが、習近平政権の狙いは何なのか。2026年6月24日放送の「深層NEWS」(BS日テレ)は中国専門家の見方を紹介した。
東京財団の柯隆氏は「これは高市政権へのメッセージと受け止めました」
東京財団の柯隆・主席研究員は「これは高市政権へのメッセージと受け止めました」とこう解説した。「日中関係が悪化して、私が一番怖いなと思ったのは、反スパイ法に触れて(日本人駐在員が)拘束・逮捕されること。今回はいわゆるレアメタルの密輸の疑いで拘束している」と、中国側のやり方に『手加減』があると見る。
「2人を拘束することで、高市首相が去年(2025年)の台湾有事の発言をされているが、そろそろ譲歩してもらいたい」というサインを発したのだと指摘した。
「中国経済は低迷しているわけですから、やはり日本と経済協力したい」
「中国経済は低迷しているわけですから、やはり日本と経済協力したい」というのが中国側の本音で、日中貿易をリードしてきた「日本国際貿易促進協会」の幹部が6月22日に北京を訪問して、中国外務次官と会談した。再び止められてしまったが、中国の旅行会社が日本行き団体ツアーの募集を始めようとしたのは、「そろそろ再開しなきゃいけない」という空気が中国政府の中にもあるからだろうと柯さんは分析している。
拘束された邦人2人の釈放を巡る交渉をきっかけに、日中関係の見直しに進めるのではないかなど「(中国側には)いろいろな思惑があると思いますね」(柯さん)ということだが、カードは向こうにある。中国敵視を強める高市首相、切り返す妙手はあるか。
(シニアエディター 関口一喜)