ANAホールディングス(HD)が2026年6月26日に定時株主総会を開き、芝田浩二社長が、傘下の全日空(ANA)で起きているトラブルについて謝罪した。トラブルは大きく2つ。ひとつがラウンジ利用に関わる上級会員制度変更の問題、もうひとつが国内線の予約・チェックインを行うシステムと運賃制度をめぐる問題だ。前者は変更を再検討することが明らかにされ、後者については、オンラインチェック関連の不具合は7月末までに解消する予定だとしている。主要空港のラウンジではピーク時間帯に座れない、利用できないケースANAの利用者は、搭乗実績に応じて上級会員制度「ANAスーパーフライヤーズカード(SFC)」の入会資格を得ることができ、一度入会すれば、年会費を払っていればラウンジ利用などの特典を半永久的に受けられていた。ところが、26年4月になって、ANAカードなどで年間300万円以上決済した人を「SFCPLUS」、それ以外をラウンジが使えない「SFCLITE」とする制度変更を28年4月に行うと発表。「SFCLITE」の人は、ANAが加盟する航空連合「スターアライアンス」の特典も格下げされる。そのため、多くのSFCメンバーにとってラウンジ利用の権利をはく奪されたりする「改悪」だとして反発が広がっていた。ANAの平沢寿一社長は、SFCの会員数は増加を続けているため「将来にわたって安定的にサービスを提供することが難しくなってきた」と説明。羽田、新千歳、福岡、那覇などの主要空港のラウンジではピーク時間帯に座れない、利用できないケースも出ており、今後も混雑は激化するとみている。スペースの拡張も「空港の施設要件上、これ以上の拡張は非常に難しい状況」だという。そのため、「大変心苦しいことではあるが、新たなルールを設けざるを得ない」。具体的には「今後もサービスを安定的に維持するためには、年間決済額300万円という基準を設定させていただくとの決断」に至ったとした。ただ、「株主様、お客様から非常に多くのお声を頂戴している現状」を踏まえて、制度見直しの再検討を決めたといい、その結果は「上期(26年9月)中をめど」にウェブサイトで公表するとしている。質問に立った株主は「カードを年間300万円使わない人はラウンジから排除すべきだという、そういう判断」が行われたと指摘。見直しの中で、「その判断の前提は変わっていないのか」と質問した。ANAHDの芝田氏は、再検討について「9月までにはしっかりと皆様からのご意見を反映する形で改定の見直しに着手してまいりたい」と応じるにとどめ、「300万円」の基準の行方については言及しなかった。「シンプル」運賃でも有料座席指定オプション準備中もうひとつの問題が、国内線の予約システムの問題だ。自社製からスペインのアマデウス社製に切り替え、5月19日から新システムを利用した搭乗が始まった。だが、予約・購入やオンラインチェックインでエラーが多発。同じタイミングで国内線の運賃制度を変更したため、混乱が加速した。電話がつながりにくくなったほか、問い合わせメールの返信に2週間~2か月かかる状況に陥った。平沢氏は、移行プロセスで配慮や事前案内が不足していたことを「重大な課題として認識」していると説明。その上で、「延べ2000名以上の体制で対応に当たっており、足元のメール件数や電話の応答率も改善している」「お客様のご負担が大きいと思われる予約機能やオンラインチェックイン機能から早急に性能改善を行っている」と話した。ANAHD広報部では、システムエラーの解消のめどについて「オンラインチェックイン関連の不具合要因を特定している部分について、おおむね7月末までに解消予定」と説明している。一方、新運賃制度では、座席指定のあり方をめぐる声が相次いでいた。最も安い運賃体系「シンプル」では、出発24時間前まで座席の指定ができず、グループで席がバラバラになってしまう、といった声だ。石井智二・取締役専務執行役員(営業部門統括)は、「事前座席指定を、いくばくかのお金を追加していただいて可能になるというようなサービスを、なるべく早期に開始したいということで、システムの対応を開始している」と話した。(J-CASTニュース編集委員兼副編集長工藤博司)
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