雪印報道とよく似た、苦労を前面に押し出す「問題のすり替え」
「働いて、働いて、働いて、働いて、働いてまいります」というアピールを繰り返してきた高市首相「らしい」言葉であるが、SNSで は「寝てないピールいらん」といった呆れの声があふれ返った。
一般の社会人は、「寝ていない」「がんばった」ことが評価されるのではなく、その先にどんな成果をもたらしたかが評価されるのだ。政治家なら「がんばった」だけで許される、ということはないだろう。
そんな「寝ていない」アピールを聞いて、ある"前例"を思い出した日本人は少なくないだろう。
2000年7月4日、戦後最大の集団食中毒事件を起こした雪印乳業の石川哲郎社長が、記者会見の延長を求める報道陣にもみくちゃにされた。
そこで、石川社長は報道陣に向かって、
「そんなこと言ったってね、私は寝ていないんだよ!」
と発言、このやりとりは全国に放送され、雪印への批判が一気に高まり、石川社長はその2日後に辞任を表明、雪印への信頼失墜を決定づけた。
この発言が炎上した本質的な理由は、責任から目を逸らして自分の苦労を前面に押し出す「問題のすり替え」への反発だったのだ。
この構図は、今回の高市首相をめぐる状況とどこか重なって見える。