証拠が出るたびに少しずつ後退する答弁スタイルは変わらない
また、高市首相にとってこのパターンは今回が初めてではない。
放送法の政治的公平をめぐる総務省の内部文書問題でも、まったく同じ構図が繰り返されていたのである。
2023年3月2日、立憲民主党の小西洋之参議院議員が放送法の政治的公平をめぐり、「総務省職員から提供を受けた」という内部文書を公表した。
内部文書には、高市氏が総務相だった2015年、安倍晋三首相の腹心の補佐官・礒崎陽輔氏が、放送法第4条にある「政治的公平性」の解釈をめぐって、総務省に解釈変更を求めたとされる内容が記されていた(いずれも当時の役職)。
これが、当時の政権が一部の報道番組をけん制しようとする動きだったのではないか、と映ったのである。
2023年に経済安全保障相となっていた高市氏はこれに対して「怪文書だと思う」と述べ、翌日の参議院予算委員会で「まったくのねつ造文書だ」と断言、その場で「捏造でなければ閣僚や議員を辞職するか」と問われると「結構だ」と啖呵を切った。
しかし総務省が該当の文書を「行政文書」と認定すると、「不正確だ」「覚えていない」「確認できない」と発言を後退させていく。
追い込まれた高市氏は、
「私の答弁が信用できないなら、もう質問しないでください」
とあたかも被害者のような態度を見せて反発。その発言は後日撤回に追い込まれたが、ついに謝罪だけはしなかった。
最初は全否定、証拠が出るたびに少しずつ後退する答弁スタイルも、高市首相らしさと言えるのかもしれない。
「強い経済」「強い日本」を繰り返し訴える高市首相。
「強い」リーダーに求められるべきは成果であり、少なくとも「寝ていない」のに、「がんばっている」のに、と訴える態度ではないはずだ。