10年で7人もの首相が変わるイギリス。与党・労働党のアンディ・バーナム党首(56)が新首相に就任した。2026年7月20日放送の「news23」(TBS系)はバーナム首相の試練の船出をとりあげた。
「できることには限りがあるというのが現状」
なぜこれほどまでに首相が変わるのか。背景にはイギリス国民が抱えている政治への不満があるという。バーナム新首相は「イギリスは再び安定を取り戻せるということを世界に示さなければいけない」と国民に語りかけた。マンチェスター市長を9年間務め、公共交通機関の改革を進めてきた。「北部の王」(キング・オブ・ザ・ノース)と呼ばれ、庶民派で地方重視の政治を行うと、番組はバーナム氏のプロフィルを紹介した。
慶應義塾大学の鶴岡路人教授は「この10年間のイギリス政治は、首相の顔を変えることで新しい雰囲気を作ろうとして失敗してきた連続だったと思う。国民の不満が高まるなかで、とりあえずリーダーの顔を変えてみたわけだが、できることには限りがあるというのが現状だろう」と話す。
左右の間で中途半端になる危険性も
この5月に行われた統一地方選では「反移民」を掲げ与党を上回る議席を獲得した右派政党「リフォームUK」の存在が大きいが、東京大学の斎藤幸平准教授は「バーナムさんは(リフォームUKに)譲歩して移民に対して厳しい姿勢をとると思う。ただ、地方選では緑の党という環境・移民問題で、よりプログレッシブな左派的な政党も人気を伸ばした。バーナムさんはちょっと左だけど真ん中に寄っていくと、結局中途半端になってしまう。そういうのを国民は求めていないので、中途半端なら、俺らリフォーム(UK)でいいじゃないかとなってしまい、はじめから難しいかじ取りを求められている」との見通しを語った。
(ジャーナリスト 佐藤太郎)