一駅先で再び口論 最後は乗客のやさしいひと言で
しかし、騒動はそれで終わらなかったようだ。
「私が乗っていた路線と並行して走る別路線の電車も、次の駅で同じホームに停車するんです。ドアが開くと、そこには先ほど降ろされた男性が立っていました」
顔を見合わせた瞬間、二人は再び口論を始め車内には緊張が走った。
今度は、周囲の乗客が次々と仲裁に入り、二人の間に立ちながら落ち着くよう声をかけていたという。しばらくして、一人の男性がようやく電車を降りると、もう一人が興奮した様子で何かをつぶやき続けていた。
そんな中、仲裁に入っていた乗客の一人が声をかけた。
「何か嫌なことでもあったの?」
そのひと言をきっかけに、男性は次第に落ち着きを取り戻していったそうだ。
「詳しい話までは聞こえませんでしたが、慰めるように話しかけていた印象でした。男性も途中から何も言わず、黙って話を聞いていたように見えました」
驚きの連続だった出来事を振り返り、佐藤さんは、「最後は怒鳴り合いではなく相手を気遣う言葉で空気が変わったことが、一番印象に残っています」と振り返る。
トラブルに遭遇して、無理に仲裁へ入ることで危険が生じる場合があるかもしれない。一方で、状況が落ち着いた後の何気ない声かけが、張り詰めた空気を和らげるきっかけになることもある。