フジテレビの原田葵アナが「結婚相手は年収2000万円がいちばん幸せ」などと発言し、ネット上で賛否を呼んでいる。女性有名人が「結婚相手に望む年収」を語って炎上する騒動は、このところ繰り返し起きている。なぜこの手の発言は、世間の反発を招きやすいのだろうか。年収1億円「そんなにいらないです」の後で2026年7月16日、原田アナはフジテレビ系バラエティー『ぽかぽか』に出演。パリ五輪柔道金メダリストの角田夏実さんや体操の世界選手権金メダリスト・杉原愛子さんをゲストに迎え、理想の結婚相手の条件を語り合うトークの最中、MCの神田愛花さんから「葵ちゃんは年収1億円以上がいいでしょ?」と尋ねられた。原田アナは「いらない、そんなにいらないです」と慌てて否定したが、続けて、「最近、女子会でよく言うのは『年収2000万円がいちばん幸せ』っていう話を......」と語った。すかさずハライチの澤部佑さんが、「2000万円って相当だよ、そりゃ幸せだわ!」とツッコミを入れると、原田アナは、「それを超えると、派手に(お金を)使われるかもしれないから、怖いんじゃないかっていう話を友達と......」と釈明。しかし岩井勇気さんから「年収2000万は相手として余裕なんだ」と追撃され、タジタジとなっていた。この発言に対し、ネット上では「2000万くらいがちょうどいいなんて金銭感覚がやばい」「庶民の感覚とズレすぎ」などと批判が相次いだ。その一方、「女子アナなら、案外現実的なのでは」と理解を示す意見も見られ、賛否が巻き起こった。高橋成美さん「年収800万円」にも「理想が高すぎ」こうした「希望年収」発言が物議を醸すのは、原田アナに限った話ではない。ミラノ・コルティナ冬季五輪の"神解説"で脚光を浴びた元フィギュアスケーターの高橋成美さんは、3月に出演したバラエティー番組の婚活企画で「年収800万円」を条件に挙げた。原田アナと比べればかなり控えめだが、「身長168センチ以上」「塩顔」「腹筋が盛り上がっている人」など細かな条件が並んだこともあり、「理想が高すぎる」「これに当てはまる人が婚活市場にどれほどいるのか」と批判を浴びた。高橋さんは進学校の渋谷教育学園幕張高校から慶応大学総合政策学部(SFC)に進み、英語や中国語、韓国語、ロシア語など7か国語を操る才媛。2014年ソチ五輪に日本代表として出場した経験を持ち、現在は日本オリンピック委員会(JOC)の評議員も務める。「超ハイスペック」な女性だけに「年収800万円はむしろ控えめ」との擁護論も出たが、炎上は避けられなかった。ほかにも、最近ではタレントの二瓶有加さんが「1500万円くらい」、ここ1~2年の間でもテレビ朝日の田中萌アナが「大卒大手企業サラリーマンで年収1000万円」、元SKE48でタレントの須田亜香里さんが「年収2000万円」などと発言し、いずれもネットで賛否を呼んだ。男性で最も多い給与階級は「400万円超500万円以下」こうした発言に批判が集まりやすい背景には、現実との大きな隔たりがある。国税庁の「令和6年分民間給与実態統計調査」によると、日本の民間給与所得者のうち、男性の平均年収は587万円(男女全体では478万円)。原田アナの「2000万円」は平均の約3.5倍にあたり、年収2000万円を超える給与所得者は全体のおよそ0.6%にすぎない。平均の587万円という額も、一部の高所得者層が引き上げている可能性がある。実際、男性で最も多い給与階級は「400万円超500万円以下」だ。また、帝国データバンクの調査によると、2025年度の上場企業の平均年間給与は692.6万円。過去最高を更新したというが、それでも原田アナの「2000万円」にはほど遠く、控えめとも評された高橋さんの「800万円」にも届かない。過去にも似たような発言はあった。医師でタレントの西川史子さんは2000年代後半に、「年収4000万円以上ない人には興味がない」などと公言。2007年の民間給与所得者の平均年収は430万円台となっており、現在以上の高望みだったといえる。西川さんに対する批判はあったが、視聴者も西川さんの「キャラ」に沿った"西川節"として半ばネタのように受け止めていたところもあった。それに比べると、今は「2000万円」「800万円」といった年収に関する発言が激しい反発を招くようになった。近年、日本の平均年収は緩やかに上向いているが、物価高が続くなかで、生活の実感としては苦しさを感じている人が多い。2000年代と比較しても、日本が「貧しくなった」という実感が広がっている。かつてなら笑って流せたはずの「高望みトーク」に世間が過敏に反応してしまうのは、経済的な余裕を失っている「日本の今」を映す鏡なのかもしれない。
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