東京都を代表する繁華街の一つ、渋谷。なかでもスクランブル交差点は、渋谷を代表するスポットとして、国内外から多くの観光客が訪れている。
近年は、訪日外国人旅行者も増加している。日本政府観光局(JNTO)の2026年1月21日の発表によると、2025年の訪日外客数は4268万3600人で、過去最高を更新した。観光客の増加が地域経済に恩恵をもたらす一方で、人気観光地では混雑やマナーをめぐる問題も起きている。
渋谷で働いているという坂口正之さん(仮名・60代)は、帰宅途中のスクランブル交差点で信じがたい光景を目撃した。
街の変化に驚く
早期退職後、セカンドキャリアとして渋谷で働いている坂口さん。故郷の長崎県から上京して、最初に仕事を始めた場所も渋谷だった。
「1986年頃の渋谷は学生や若者が多く、買い物をしたり映画を観たり、デートを楽しんだりする街という印象でした。スクランブル交差点も人は多かったですが、今ほど混沌としてはいなかったと思います」
それから約40年が経った2026年。坂口さんは、街の変化に驚いたそうだ。
とくに印象的なのが、外国人観光客の多さだという。
「旅行に来て楽しいのは理解できますし、日本にお金を使ってくれるのはありがたいことだと思っています。ただ、周りの人が通れなくなるような行動は困りますね」
ある日の午後9時過ぎ、坂口さんは、宇田川町からセンター街を抜け渋谷駅に向かっていた。
この日も、センター街には多くの外国人観光客がいた。何人かで立ち止まって写真を撮る人や、道の中央にスタンドを立て、侍のような格好でライブ配信をしているような人も見かけたという。
人混みを抜け、ようやくスクランブル交差点が見えてきた。そのとき、遠くから救急車のサイレン音が聞こえてきたそうだ。