福島県いわき市長の内田広之氏が2026年9月15日、小中学生全員に貸与しているという「熊鈴」をめぐる注意喚起をXに投稿した。
「音がうるさいということなのでしょうか?」
近年、クマによる被害が増えている。25年冬から26年春にかけても、秋田や岩手、北海道など、北海道・東北地方を中心に、全国でクマの目撃情報が相次いだ。外出を控えるよう呼びかけが行われた例もある。
福島県の地方新聞「いわき民報」が6月24日に公開した「いわき市 クマ対策に全児童・生徒に鈴貸与へ 河川水DNA調査による侵入把握も」との記事によると、いわき市ではクマをめぐる安全対策の一環として、「私立を含む市内すべての小・中学校、保育所・幼稚園等」に向け、「登下校や部活動における安全を踏まえ、小・中学校のすべての児童・生徒にクマ鈴を貸与」していた。
こうした中、内田氏は9月15日、「熊鈴に関し、いわき市は小中学生全員に貸与しております。しかしながら、登下校班の1割~2割程度ですが、音が鳴らないようにしながら、ランドセルにつけている児童生徒の例が見受けられます」(原文ママ・以下同)との問題をXにつづった。
「熊鈴のベルト部分に磁石があり、そこに鈴をくっつけて音がならないようにしている」例があるとし、「音がうるさいということなのでしょうか?」と首を捻った。
市販の熊鈴には、音の鳴るベル部分を磁石で固定することで消音できる「消音マグネット式」と呼ばれるタイプがあるが、配布された熊鈴についても、こうした構造を真似て音を消しているケースがあるという。
「熊鈴の適正な着用をお願いします。児童生徒の命を守るためです」
内田氏は、「先週まで私は、岩手医科大学、福島大学、県野生生物共生センターのそれぞれの専門家の熊対策講話をじっくり聞きました」と明かし、「専門家の皆様は一様に、熊鈴の有効性をお話されています」と説明。熊鈴の効果についてつづった。
「遠くから、鈴や物音がすると、熊はあらかじめ離れていきます。他方、突然、熊は人に遭遇すると驚いて人を襲う事例があり、それが各地で報告されています」という。
「例えば、市内の下好間(しもよしま;編注)の山付近で熊が目撃された例がありましたが、それが本物な熊だった場合、街近くの松ケ丘公園までは、熊は数十分で移動できます」と具体例を挙げて注意喚起し、「近くまで熊が迫っている可能性も考え、熊鈴の適正な着用をお願いします」と呼びかけた。
「児童生徒の命を守るためです。どうか保護者の皆様、教職員の皆様も、ご理解、ご協力をお願いします」としている。
「『クマを見たら音を出すように』と言われた」
投稿を見た人からは、「子どもの命が優先だ。音でクマを防げるなら、その方がいい」「近隣住民からのクレームもある。住民の方への周知も行ってほしい」などとする声が寄せられた。
一方、子どもを持つ親からは「学校から磁石を使って音を軽減させるよう指示を受けた」「教師から『クマを見たら音を出すように』と言われた。これでは意味がないのでは」などとする訴えもある。
「卒業時に返却しなければならないと聞き、無くす不安があるためつけていない」といった声も上がっており、実際の運用をめぐる議論が起こっている。
熊鈴に関し、いわき市は小中学生全員に貸与しております。
— 内田広之(いわき市長) (@uchida_iwaki) September 14, 2026
しかしながら、登下校班の1割〜2割程度ですが、音が鳴らないようにしながら、ランドセルにつけている児童生徒の例が見受けられます。…