激戦となった沖縄県知事選(2026年9月13日投開票)では、SNS上の誹謗中傷などについて、主に敗れた陣営から批判が相次いだ。地元紙「沖縄タイムス」では、選挙戦最終日の12日に真偽の見極めが大事だとする社説を出し、「まずはスマートフォンを置いて」と呼びかけた。しかし、この主張が選挙後にX上で取り上げられると、逆ではないかなどと次々に異論が書き込まれている。「従来の媒体にも目を向けてみるのはどうだろうか」「交流サイト(SNS)の利用が日常に溶け込む中で、異様さを際立たせているのが候補者に対する誹謗(ひぼう)中傷や誤・偽情報の広がりだ」知事選の投開票を前にした9月12日付社説「SNSの誤・偽情報 真偽見極める力重要だ」では、まずこう問題提起した。そして、X上の投稿は、その9割が県外から発信されていると指摘した。25年の宮城県知事選では、半数近くの人がこうした情報を元に投票したと答えたとするアンケートもあったという。今回の沖縄では、「基地負担の軽減を求める候補者」に対し、「反日」「中国の味方」などのレッテルを貼って敵視する投稿も目立ったとした。また、「AIで作った偽映像や、発言の一部を切り取って意味を変えた動画も拡散している」と指摘した。そして、県外発信を念頭に、「沖縄に対する無理解や偏見が、知事選という機会に表面化している」と主張し、こうした情報は「選挙の公平性を揺るがす」と懸念を示した。SNSについては、「既存メディアでは届きにくかった声を社会に届ける道具にもなっている」と認めながらも、情報の根拠などを調べることが重要だとしたうえで、こう提言した。「正しい情報を得るために、まずはスマートフォンを置いて、選挙公報や新聞、テレビの報道など、従来の媒体にも目を向けてみるのはどうだろうか」社説の最後では、「虚偽や憎悪によって選挙をゆがめてはいけない。正確な情報で投票先を選んでほしい」と呼びかけていた。「1つの提案であって、それ以上でもそれ以下でもありません」この社説は、選挙翌日の9月14日ごろにネット上で話題になり、翌15日には、X上で拡散して、疑問や批判が相次ぐようになった。主な意見としては、沖縄タイムスなどの地元メディアが敗れた陣営に肩入れしている印象があるなどとして、「偏向報道の方がよほど問題だ」「裏取りするためにネット見るんだよ」との指摘が出た。「『自分たちだけは正しい』みたいな顔で言われても」「新聞が一体何を言っちゃってんのか」などと不信感を示す向きも多かった。一方で、「たしかに誤情報やデマには注意しなくては」「真偽不明の情報を垂れ流すのは正しくはない」などと社説に理解を示す声も一部であった。沖縄タイムスの社説担当者は16日、J-CASTニュースの取材に応じ、新聞が偏向報道をしていると批判されていることについて、こう反論した。「それは少し違うのではないでしょうか。今回は、どちらの陣営にも間違った情報があり、新聞は、出所をはっきりさせ、両方の政策を比較して記事を書いています。陣営から記事が間違っているという指摘を受けたこともありません。ネット上でも正しい情報はありますが、見極めることが重要です。情報が氾濫していて、正確なものと誤・偽情報との区別があいまいになりがちです。いったん一度立ち止まって、公的な一次情報や出所が明らかな情報に目を向けて、政策を吟味すればいいのではないかと思っています」知事選では、多くの情報がSNS上で発信され、有益なものも多かったものの、それ以上に沖縄ヘイトも含めて間違った情報が見られたという。どちらかと言えば、敗れた陣営に対してネガティブなものが多かったとした。「選挙が終わったばかりで、どんな誤・偽情報などがあったかの精査や分析はこれからになります。社説は、1つの提案であって、それ以上でもそれ以下でもありません」(J-CASTニュース編集部 野口博之)
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