2026年9月17日の高市早苗首相の内閣改造は、最大の目的が「一年後の自民党総裁選の無投票再選への態勢づくり」だと見られていた。ここで閣外に去った林芳正・前総務相(65)は対抗馬として準備が事実上スタートすることになる。同時に進行した衆参の党役員交代人事などが影響して自民党内の非主流派が拡大しかねないとの見方もある。そこで林氏には勝ち目はあるのか。
高市氏は林氏の留任・封じ込めを図ったが
今回の内閣改造・党役員人事について、高市首相は「挙党態勢構築を名目に総裁候補を封じ込め、来秋の総裁選で無投票再選を狙う戦略」(関係者)を最優先としたとされる。林氏が閣内に残るかどうかをめぐっては、「高市首相が留任打診」「林総務相が留任意向」などとメディアでも情報が混乱したが、最終的に林氏は、閣外へ去った。
林氏は、官房長官、外相、防衛相をつとめ、これまでに総裁選に3回出馬。昨秋の前回総裁選では、小泉防衛相、小林政調会長、茂木外務大臣とともに高市首相と争った。議員票では小泉氏に続く2位、党員・党友票との合計では、高市氏、小泉氏に次ぐ3位で、次回も出馬すれば、高市氏の有力な対抗馬となる。
旧岸田派のナンバー2で「穏健保守、財政規律重視派の旗頭」
林氏は旧岸田派のナンバー2で「穏健保守、財政規律重視派の旗頭」とされており、次期総裁選では有力な候補となる。9月1日の外国特派員協会の会見では流ちょうな英語を駆使して、対中政策などを語ったが、SNSでは「力強い断言や言い切り」で人気の高い高市氏とは対照的な「弱腰」政治家に映ったようだ。
しかし、自民党内では、消費税減税問題で政府案に公然と反対をした河野太郎・元外相や小渕優子・元経産相ら「非主流派」がじわりと拡大している。臨時国会や防衛費の拡大をはじめとする来年度予算編成など政局の展開によっては、内閣支持率をも直撃しかねない。
また、森山裕・前幹事長が「(林氏は)十分に(首相を)務める能力を持っている」として林氏を支援する構えを見せており、日中友好議連会長をはじめ与野党の広い人脈があるだけに、高市氏にとっては気になる動きだ。
(ジャーナリスト 菅沼栄一郎)