業者の増加、弔い方の多様化で激化する競争
一方、料金トラブルの背景を考える上で見逃せないのが、葬儀業界の競争激化だ。
東京商工リサーチが25年9月に公表した調査結果によると、主要な葬儀会社505社の24年度売上高は4051億5200万円と前年度から4.6%増えた。市場は拡大しているが、24年に105社が新設された一方、休廃業・解散66件、倒産8件の計74件が市場から退出。新規参入が退出を上回る状態が続いている。
同社は、家族葬の普及で葬儀単価の低価格化が進み、一日葬や直葬など弔い方も多様化する中、シェア争いがさらに激しくなると指摘している。競争が激しくなれば、過度な利益追求に走る業者が出てくる恐れが高まる。
もちろん、多くの葬儀社は適正な料金と説明で遺族に向き合っていることだろう。それでも今回、地上波CMを放送するような企業で、表示された最低価格と実際に必要な金額に3倍近い開きがあったことは事実。全国で多発する料金トラブルも含め、消費者にとって看過できない問題だ。
故人を送る場で、最後に残るのが料金への不信や後悔ではあまりにやりきれない。葬儀費用がプランなどによってある程度変わるのは仕方ないが、表示した価格と実際に必要となる金額が大きくかけ離れるような広告は、改めて見直す必要があるだろう。