東京大学の次期総長(学長)に大学院総合文化研究科の藤垣裕子教授が選出された。「初の女性総長で新しい時代」などと今ごろ言われること自体が、東京大がいかに古い体質を引きずってきたかを物語っているが、その選考過程がいまひとつはっきりしないと物議をかもしている。2026年10月1日放送の「Nスタ」(TBS系)の出水麻衣キャスターは、「初めて女性が選ばれましたが、その選考理由について、説明を求める声が上がっています」と伝えた。2倍以上の差を付けられて2位東京大の総長選考は、まず学内外の有識者で作る「総長選考・監察会議」で候補者を決定し、書類審査や面接で絞り込む。これを受けて、教職員による意向投票を経て最終決定となる。意向投票はだれを選ぶかという選挙ではなく、選考の判断材料の一つなのだが、藤垣教授は1位の染谷副学長に2倍以上の差を付けられて2位だった。選考・決定は手続きルール通りに行われたが、逆転に見えるだけに、「説明はもう少し丁寧に」という声が学生からも上がっている。選考・監察会議は「(藤垣教授は)より開かれた大学に向けた改革を実現する十分な能力を持っている」としていて、国谷裕子議長は「女性であることは選考過程では評論の対象になりませんでした」と説明した。もう一歩、踏み込んだ説明をただ、井上貴博キャスターはこんな心配をした。「あいまいな説明に終始していると、選考プロセスの透明性を損なうだけでなく、結果として、女性を登用するための逆差別にとらえられかねない。もしそう取られてしまうと、もったいないんじゃないかと。正当な評価ですっていうためにも、説明はもう一歩踏み込んでいただけないものかなと思うんですよね」ちなみに、京都大学でも意向投票で3位の候補者が総長(学長)に選ばれて、10月1日に就任した。(シニアエディター 関口一喜)