所属する国会議員が1人だけになった中道改革連合が2026年10月20日、政党交付金を受け取った。その額は約5億8470万円で、SNSでは批判が再燃している。
ただ、多くの人が引っかかっているのは金額だけではなく、受け取る側の「言い方」のようだ。
議員1人の中道改革連合に約11億7000万円
政党交付金は年4回に分けて支給され、10月20日はその3回目だった。中道改革連合は9月に事実上解体し、残務整理と清算手続きなどを担うため、立憲民主党出身の渡辺創衆院議員が1人だけ党に残っている。その中道にも、交付金が支給された。
中道は10月分と12月分を合わせて約11億7000万円を受け取る予定で、選挙費用の清算などに充てる方針だという。
交付金の額は、毎年1月1日時点の所属議員数と、過去の国政選挙の得票数に応じて決まるのが原則とされる。
2月の衆院選で、中道は公示前の167議席から49議席に減った。公明出身の候補28人は全員当選したが、立憲出身の当選者は21人にとどまった。
その後、9月に立憲系は新党を結成し、公明系は公明党に戻った。政党助成法ではこれを「分派」と扱い、党を離れた側は未交付分を受け取れない。党を解散して複数の新党に分かれる「分党」であれば、それぞれが議員数などに応じて受け取れたが、手続きに時間がかかるとして見送られ、中道という看板が残された。
その結果、今年分の交付金約23億4000万円のうち、未交付の約11億7000万円が議員1人の中道にすべて入ることになった。
しかも総務省によると、来年分も得票数に応じて約17億円が中道に交付される見通しだという。
「批判は甘んじて受けざるを得ない」とも語っているが
交付金の受け取りに対する世論の目は厳しい。産経新聞とFNNが10月17・18両日に実施した世論調査では、中道が交付金を受け取ることに「納得できない」が74.0%に上り、「納得できる」の16.6%を大きく上回った。
そこへ火に油を注いだのが、中道で幹事長を務め、いまは立憲系の新党「民主改革の会」の幹事長である階猛氏の発言だ。20日の会見で、
「特段、多く政党交付金を受け取ろうとか、活動の実態がないのに受け取ろうとかいうわけではない」
「我々として負い目を感じなくてはいけないものではない」
と述べたのだ。
階氏は9月の会見でも、記者から「破産管財人」と指摘されると、
「公党に対して極めて失礼」
と声を荒らげる場面があった。
20日の会見では「批判は甘んじて受けざるを得ない」とも語っているが、どちらが本音なのだろうか。
また、中道の代表だった小川淳也氏(現・民主改革の会代表)は、9月11日の記者会見で後継の新党(現在の民主改革の会)を設立する見通しを示し、新党は当面「国民からお預かりする交付金は全く受けずに、歯を食いしばって奮闘する」と述べていた。
ところが階氏は今回、中道の清算後に民主改革の会と合流する見通しに触れ、
「合流した後の政党に政党交付金が入ってくる」
と話したのである。
たしかに民主改革の会自体は交付金を受け取っていないが、合流すれば結局は同じ財布になるのではないか。有権者からそう見られてもおかしくはない。
立憲の元代表も「十分に納得できていない」
外部からも厳しい声が上がっている。元大阪府知事の橋下徹氏は20日、民主改革の会の支持率が0.1%だったとする世論調査に触れ、自身のXで、
「選挙にかかったお金は、自分たちで返済しろ!」
と指摘。「民間はちょっとしたことで補助金を止められ、その後歯を食いしばって自力で返済している」と投稿した。
批判は外からだけではない。かつて立憲民主党の代表を務めた泉健太氏も9月18日、Xで「正直、我々も十分に納得できていない」と明かしている。泉氏は民主改革の会への入党も見送った。
中道から議員が復党した公明党の西田実仁幹事長は、交付金の原資が国民の税金であることに触れ、使途を「しっかりと示していっていただきたい」と注文を付けている。
立憲系だけが矢面に立つ構図になりつつある。先に挙げた世論調査では、民主改革の会の支持率はわずか0.1%。このままでは、風当たりがさらに強まりかねない。
小川氏は9月の会見で「半分も清算が終わっていない状況で、民間事業者に付け替えていいとは思っていない」と述べている。交付金を受け取らなければ、支払いが滞って困るのは取引先の民間企業だ。階氏も20日の会見で、残務整理を進めるうえで中道に交付金が入ることは必要だと主張している。
取引先にしわ寄せを回さないという理屈には、一理ある。だが、そうであればなおさら、低姿勢で理解を求め、何にいくら使ったのかを細かく公開するのが筋ではないだろうか。