ドリンク全品399円の新業態で巻き返しなるか
こうした状況を打開すべく、同社が力を入れているのが低価格路線への転換だ。
同社は26年3月、横浜市に新業態「磯丸酒場」の1号店をオープン。生ビールを含むドリンク全品を税込み399円均一に設定した。
メニューを絞り、串揚げやつまみ寿司など、少人数でも気軽に楽しめる料理を充実させた。いか串は税込み175円、ガリさば巻きは同362円。従来の浜焼き中心の海鮮居酒屋から、手ごろな価格で飲食できる大衆酒場へとコンセプトを転換した。
一方、磯丸水産の地方出店は好調で、親会社は都心の不振店を別業態に転換するとともに、地方への出店を強化している。従来のスタイルが地方では支持されていることは、明るい材料だといえる。
かつてのように好立地と24時間営業、そして浜焼きのレジャー感だけで客を呼び込むことは難しくなった。中国人観光客の激減という逆風も続いている。磯丸水産で築いた知名度や店舗網を生かし、低価格路線を拡大して客を取り戻せるか。都市部での新業態への転換と地方エリアへの出店、その成否が再起の大きな鍵を握りそうだ。