GMOインターネットグループの熊谷正寿代表は2026年10月26日、同グループが不正アクセスの攻撃者から「5000万ドル(約80億円)」を要求されていることを、25日に公開した自身のブログに追記する形で明らかにした。
「要求に応じておらず、支払いも一切行っておりません」
熊谷代表は25日、GMOインターネットグループの子会社・GMOインターネットが運営するFX自動売買専用VPS(仮想専用サーバー)「お名前.com デスクトップクラウド」の不正アクセスについて謝罪した。
その中で、同社が不正アクセスの攻撃者から、次のような「卑劣を極める脅迫」を受けていることを明らかにした。
「お客様の口座に対する不正な取引操作の継続」
「接続されたお客様のPC内の情報に関する不正公開およびランサムウェア攻撃」
「当社システムや運用体制等に関する内部情報の外部不正公開」
26日には、「当社に対する5000万ドル(約80億円)の金銭要求」があったことも追記した。
さらに、攻撃者からの要求文書として、「2026年10月21日午後5時(日本時間)までに5000万ドルをお支払いください」「お支払い方法:暗号通貨」「言い訳は通用しません」などとするメッセージも公開。熊谷代表は、「当社は、これらの要求に応じておらず、支払いも一切行っておりません」とした。
そのうえで、
「『FX取引のVPSだから重要インフラではない』というご意見もあります。しかし、これは単なる一部サービスの障害ではありません。国内外70社以上の金融基盤に接続する環境が標的となり、国民の金融資産、そして個人のパソコン内の生活データまでが人質に取られているという現実です。これを『民間の一事案』として見過ごせば、次はあらゆる社会基盤や個人資産が、同様の手口で脅かされることになります」
と、事案の重大性を訴えた。
ブログで決意つづる「社会人人生の全てを賭ける覚悟」
GMOインターネットグループをめぐっては、21日に「お名前.com デスクトップクラウド」で不正アクセスを受けたと発表。翌22日には、サーバー内に保存されていた証券口座等のログイン情報が第三者によって不正に取得・利用された可能性があるとした。影響を受けた可能性のあるサーバーは2万6739件という。
実際に取引口座の不正な操作の報告も受けているといい、同サービスは現在、全プランでサービスを停止している。24日には、サービス利用者への見舞金や損失への補償について案内した。
政府に対しては、「能動的サイバー防御」に関する措置の実施を要請したことも明らかにした。
一方、制度上は重要インフラを担う事業者などが対象とされていることについて、熊谷代表はこれを理解しているとしたうえで、「実質的な国民生活への影響に照らして適用可能性を検討していただきたい」と訴えた。
そのほかブログには、プロのホワイトハッカーを抱える企業でありながら攻撃を防ぎきれなかったことへの悔しさや、「この難局に向き合うにあたり、私は社会人人生の全てを賭ける覚悟」との決意がつづられている。
【重要】「お名前.com デスクトップクラウド」への不正アクセスに関するお詫びとお知らせ(第2報) お客様より、本サービスのサーバー上でご利用の取引ツールに関連して、お取引口座で第三者による不正な操作が行われたとのご報告をいただいております。 サーバー内に保存されていたお取引口座のログイン情報等が第三者に取得され、不正に利用された可能性があることが分かりました。 多大なるご迷惑とご心配をおかけしておりますことを、心より深くお詫び申し上げます。 本サービスで取引ツール等をご利用のお客様は、以下のご対応を至急お願いいたします。 ・取引ツール(MT4/MT5等)ならびにお取引口座のパスワードを、本サービスのサーバー以外の端末から変更 ・その後、ログオフ(セッションの切断) ・お取引口座の取引履歴と残高の確認 ・二段階認証等の設定(お取引先の事業者が提供している場合) https://t.co/WWmitioWLd
— GMOインターネットグループ (@GMOGroup) October 22, 2026