東京新聞の望月衣塑子記者と思想家の内田樹さんの対談本「常識なき世界を生き延びるために」(朝日新書)で、望月記者の発言部分に複数の事実関係の誤りがあり、版元の朝日新聞出版がウェブサイトの書籍ページに「お詫びと訂正」を掲載した。いずれの誤りも「日本中学生新聞」を創刊した川中だいじさんについて語った部分だ。川中さんが2026年10月28日に事実関係の誤りをXで指摘。その後、望月記者と内田さんも同日、それぞれXに謝罪文を投稿した。朝日新聞出版は30日、J-CASTニュースの取材に対し、「川中だいじ様には、大変なご心労をお掛けしたことをお詫びする」と謝罪。記述に誤りがあった経緯については「現在、詳細を調査中」だと回答した。朝日新聞出版が取材に回答「真摯に対応を続けて参ります」同書は26年9月に刊行された。版元が掲載した「お詫びと訂正」によると、「川中くんは周りの子から『老害』と言われたり」との記述を削除。また、望月記者が自身の息子の話として紹介した部分も、川中さんの話に訂正した。国民民主党の玉木雄一郎代表への取材を「ぶら下がり」で行ったとする表現も削った。さらに、小学校に張り出した新聞を先生に剝がされたとの話や、外務省に取材を断られて「日本中学生新聞」を創刊したとの話も削り、G7広島サミットの取材申請をするため創刊したと改めた。川中さんは28日朝、「日本中学生新聞」のXアカウントを通じ、版元が前日27日に「お詫びと訂正」を掲載したと報告した。また、「望月氏がぼくに関して話をしている内容のほとんどが事実ではありません」と指摘。正しい事実関係を説明した後、最後に心境をこう記した。「学校内の先生や同級生について全く事実でないこと、ぼくが話してもないことを書かれたことに対してのショックは大きいです。訂正を出してもらうために時間と労力を取られていることに憤りを感じています」共著者である内田さんは28日夕、「ゲラを読んだ時点で気付かずに申し訳ありませんでした」とXに投稿した。望月記者も28日夜に投稿した謝罪文で、「事実と異なる記述を公表してしまい、深くお詫び申し上げます」「公表前に一つひとつの内容を十分に確認すべきでした」と記した。編集者を通じて直接の謝罪と説明をする機会を求めたとしている。SNSでは、「ゲラで見落としたってレベルではない」「記者が内容の一つ一つを確認もせずに出版にまで至るなんてあり得ない」「まずは回収と絶版でしょう」などと批判の声が相次いでいる。朝日新聞出版は30日、J-CASTニュースの取材に対し、つぎのように回答した。「このたびの、朝日新書『常識なき世界を生き延びるために』の記述に誤りがあったことの経緯について、現在、詳細を調査中です。川中だいじ様には、大変なご心労をお掛けしたことをお詫びするとともに、引き続き、真摯に対応を続けて参ります」事前に事実確認をしたかどうかや、書籍の回収など今後の対応をどうするか、については言及しなかった。J-CASTニュースは他の関係者にも取材を進めている。
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