同志社国際高校を運営する学校法人同志社は2026年10月30日、3月の沖縄研修旅行中に船の転覆事故が発生し女子生徒が死亡した問題をめぐり、会見を開いた。その中で、総長・理事長の八田英二氏が教育的中立性について問われた際、ストレートに答えなかったため、記者が「きちんと質問に答えていただきたい」と求める場面があった。
最終的には「教育の中立性に問題があったと考えております」
会見で八田氏らは「学校法人として責任を重く受け止めている」として謝罪し、亡くなった武石知華さんに黙とうをささげた。また、再発防止策や安全管理体制、組織風土の改革などについて説明した。
事故当時に生徒らが乗っていた船は、市民団体「ヘリ基地反対協議会」が運航する2隻で、米軍基地移設の抗議活動にも使われたものだった。また、過去の研修旅行のしおりに抗議活動である座り込みをお願いする文章が記載していたことなどの点から、文科省は政治的中立性を欠いた教育基本法違反だと指摘した。
八田氏らは会見で、教育の中立性と適切性の問題について第三者による検討委員会を立ち上げたと発表した。
その後、京都新聞の記者が、現段階で教育の中立性に関して同志社としてどのように考えているかを質問。八田氏は、「事故後、2つのことは重要であると考えました。安全管理の問題、そして教育の問題」と話し、安全管理に関して外部調査を受け、法人内で体制を整えたことを説明した。教育の問題については触れなかった。
八田氏が「2点目をもう1回......」と2つ目の質問に移ろうとしたため、記者は「2点目といいますか、そもそも、抗議船に乗せるような学習内容というのが、教育的中立性に照らし合わせてみてどのように同志社としてご認識されているのか」と質問内容を繰り返した。
八田氏はこれに、「抗議船に乗せたということに関して、法人としては、事故が起こるまでは、設置校、特に国際高校から連絡を受けておりませんでした」と回答した。これに記者は、「教育的中立性の認識について聞きたいんです」と再度質問。
八田氏は、「教育の中立性・適切性については検討すべきである」として、外部の検証委員会に調査を依頼している旨を説明。「それが法人としての教育の中立性・適切性に関する対応でございます」と話した。
これに記者は、「ちょっとですね、きちんと質問に答えていただきたいんですけど」としたうえで、対応ではなく現時点で平和学習の内容に問題があったと考えているのかどうか、学校法人としての見解を聞きたいと、再度回答を求めた。
八田氏は「このような平和学習、あるいは研修に関しては、私は教育の中立性に問題があったと考えております」と認め、「平和学習ということで、多面的な見方を教えるべきであって、一つの見方だけで平和学習が行われていたというところは問題であったと考えております。これに関しては是正していくべき、見直していくべきだと考えております」と話した。
記者は2点目の質問として、記者会見が3月以降行われず、これまで八田氏が直接説明をしてこなかった理由を聞いた。これに八田氏は、本来は教育の中立性に関する検証委員会の報告書を受け取った後に会見をしようと考えていたが設置に時間がかかったこと、3月の会見後に法人内でさまざまな議論をしていたという説明や、2度目の会見までに時間がかかったことについて謝罪した。これに記者は、「要点をお伺いしたいんです」と指摘していた。