3横綱1大関が休場の異常事態 体重増・基本動作とけがとの関連

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高安は重すぎて一度大関とりに失敗

   元NHKアナウンサーで相撲ジャーナリストの杉山邦博氏も、2017年9月13日放送の「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)で「四股やてっぽうが減っている」と稽古の質と量の変化に疑問を投げかけた。さらに強調したのは、力士の体重増加だ。幕内力士の平均体重は、1975年の126.3キロから2017年には163.5キロと、40年ほどで37キロも増えていた。杉山氏は「(筋肉と脂肪の)全体のバランスを考えると重すぎる。相撲の内容が大味になる。技能を見せて客を堪能させることから離れている」と警鐘を鳴らす。

   「平成の大横綱」と称えられた貴乃花。同時代のライバルに横綱の曙や武蔵丸、大関小錦のハワイ勢がいた。杉山氏によると、巨漢でパワフルなハワイ出身力士に対抗するため、貴乃花は師匠から体重増を勧められたという。120キロほどだった貴乃花は、150キロまで増やした。

   近年は以前に比べて力士の「多国籍化」が進み、大柄な外国人力士が増えた。「パワーにはパワーで」と考えて増量を目指す力士もいるだろう。とはいえ杉山氏は、最近の傾向は「異常」だと話す。この1年を見ると、休場した高安は5キロ増の182キロに、「小柄」と言われる宇良は10キロも増量していたのだ。

   2017年5月17日付のスポーツニッポン電子版に、力士の体重に関する興味深い記事が掲載されていた。今年の夏場所初日の幕内で、体重の重い力士と軽い力士の取組は前者が13勝、後者が8勝。だが体重差10キロ以上あった取組では、重い力士が7勝6敗で拮抗し、30キロ以上になると軽い力士の方が5勝1敗だった。2日目には、軽い力士が重い力士に対して12勝9敗と勝ち越したという。

   当時関脇だった高安についても触れていた。初の大関とりの場所だった2016年九州場所は「体重が重すぎたことも影響して、7勝8敗と負け越した」として、「どの力士にも適性体重はある」と指摘した。なお夏場所では「174キロで初場所前の測定より5キロ減となった」。この場所、高安は11勝を挙げて大関に昇進した。

   杉山氏が話したように、バランスの良さこそが体への負担を減らすと同時に、成績にも影響してくるようだ。

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