10人いれば10種の「おいしい!」がある

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   花の金曜日。久しぶりに早く会社をでて銀座に行った。プランタンとマロニエゲートを横目に有名宝石店の入っているきれいなビルへ滑り込む。ベジタブル&フルーツマイスター、通称「野菜ソムリエ」の学校に行ってみた。

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「おいしい」だけでは足りない

三輪の提唱する「土ごと発酵」で作られた「元気野菜」たち。見栄えは普通だけど、味には自信がある
三輪の提唱する「土ごと発酵」で作られた「元気野菜」たち。見栄えは普通だけど、味には自信がある

   毎日何の気なしに食べている野菜や果物を「知らないで食べる」から「知って食べる」へ。小売業の方であれば「販売者」から「提案者」へと、野菜や果物の種類、旬、保存方法、栄養価、食べ方のバリエーションなどを学ぶ。

   教室に到着してびっくりしたのは、生徒の4分の1が男性であったこと。話を聞くと、スーパーの野菜売り場や果物担当など「販売する側」の方だった。普段から野菜や果物には接しているものの、その栽培方法や調理方法をもっとお客様に伝えたいと思って来校しているとのことだった。

   もっとおいしい野菜を食べたいと思う人が増加しているのとともに、それを導く人も増えているのだ。

   野菜のおいしさや特徴を知ったら、それを誰かに伝えるためにコミュニケーション能力を高めなければならない。「おいしい」だけでは不十分。もっとたくさんの味覚に関する表現を持っていなければ・・・

「元気野菜」と高級百貨店の野菜を食べ比べてみた

   私たちは日ごろから「おいしい」という言葉をよく使っているが、同じ「おいしい」でも人によって感じ方、捉え方が違う。たとえば先日こんなことがあった。我が社セレンの代表・三輪晋が提唱する「土ごと発酵」で作られた"元気野菜"の人参と、東京の高級百貨店で売っている野菜を食べ比べる社内イベントを実施したときのことだ。

A 元気野菜の人参 (推定1本50円)
B 高級百貨店Mの人参 (1本100円)
C 高級百貨店Tの人参 (1本150円)

   7人でブラインドテストで食べ比べてみた。Aがおいしいと思った人は5人、Bがおいしいと思った人は0人、Cは1人。「AとCが同点」という人が1人という結果になった。

   私の個人的な感想では、一番安いAの元気野菜は色と形は素朴だけど、ほのかな甘みがあっていくらでも食べられる印象。Bの高級百貨店Mの人参は色、形とも整っていて、ミズミズシしいけど味がない。一番高いCの高級百貨店Tは、色は濃く、形もいい。味はえぐみがあって、昔の懐かしい、いわゆる子供の嫌いな人参の味。おいしいかはわからないけど濃い感じの味だった。

   「元気野菜」が一番おいしいと感じてくれた方が多かった。おそらく、「ほんのり甘い」と感じたことが勝負の分かれ目だった。「元気野菜」の人参は、ミネラルをたくさん含んでいて甘みがあり、硝酸態窒素も少ないのでえぐみを感じない。

   人参ひとつとっても、いろんな味がある。どの味を「おいしい」と感じるかは人によって違う。しかも「ほんのり甘い人参」と「えぐみがあってむかしの懐かしい味の人参」が同じくらいおいしいと感じる人もいる。

   100人に100人とも「おいしい」と感じさせるのは非常に難しいことだなって感じた。

「おいしい」ってなんだろう?

   じゃあ、そもそも「おいしい」って何だろう。人は美味しさを「五感」以外の「心理・脳」「環境」でも感じているといわれている。「心理・脳」で感じるおいしさは「情報」「記憶」「感性」で左右される。

   私が人参の食べ比べで感じた「懐かしい味」というのは、昔食べた苦くえぐみのある人参の「記憶」から感じたのだ。よくいう「お袋の味」という食べなれた味も「おいしい」と感じるのと同じことだろう。

   最近の外食産業では「味付けはこっちでするから、できるだけ味のない野菜をくれ」などと言われると、農家さんからきいたことがある。野菜本来の味が楽しめなくなっているのは残念なことだ。

   おいしくて安い野菜がもっとたくさん出回るとうれしい。それでいて儲かる農業を実現するやり方があったらいいなと思った。

セレン社長秘書 大倉野あやか

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「食を通じて人を元気に。」を合言葉に、2008年10月1日設立。再現性のあるサスティナブルで「儲かる(=夢のもてる)農業」の実現を目指し、農業技術支援だけにとどまらず、人財教育、地域コミュニティの再構築など農業を通じて、日本各地の地方復興、就農者の増加のために現代農業の活性化に邁進している。
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