2024年 4月 26日 (金)

<できコツ21>「弱者の戦略」で「その他大勢」から抜け出す

   企業は経営戦略に基づき、事業活動を行なっています。個人も戦略に基づいて、日々の仕事に取り組んでいきましょう。私は、自分の道に迷っていたころに「弱者の戦略」に出会ったことで、進む方向性を見出すことができました。そして、凡人が「できるヤツ」と思われるための行動を起こしたのです。

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凡人には「局地戦」「一点集中」「差別化」が重要だ

   私は前職の会社に入社した当初は、与えられた日々の作業をこなすだけで精一杯でした。それまで短期間の転職を繰り返していたので、このまま忙殺されるだけの毎日なら、この会社も辞めてしまうような気がしました。その他大勢で終わりたくない、自分の専門性を活かした仕事がしたい、という気持ちが先走っていたのだと思います。

   打開策をあれこれ考えているうちに、書店で「ランチェスターの法則」について書かれた本に出会いました。この法則は、第一次世界大戦下の英国でフレデリック・ランチェスターによって生み出された軍事的法則で、企業経営にも応用されています。

   私の目を引いたのは「弱者の戦略」でした。強者である「できるヤツ」に、弱者である凡人の私が立ち向かうためには、「局地戦」「一点集中」「差別化」を貫く必要があるということです。そこで、「名ばかり社労士」を払拭すべく、社会保険の分野では社内で一番詳しいと認められるまで勉強しようと決めました。

   また、「仕事中心の生活」に変えることで、一点集中しようと考えました。普通は「得意分野に集中する」という意味なのかもしれませんが、私の場合は、これまで遊びに使っていた時間やお金を、仕事や勉強に費やすことにしたわけです。

「戦略」がイメージできると「仕事に対する姿勢」が変わる

   自分の「戦略」がイメージできるようになると、日々の仕事に対する姿勢が変わりました。平日は飲みにいく日が減り、休日も仕事に使えそうな本を読んで過ごすようになりました。この時期の努力がベースとなり、その後の仕事の基礎力がつきました。もし、あのとき戦略を意識していなかったら、いまでも差別化できる分野が持てず、中途半端で終わっていたと思います。

   学生の頃は、すべての分野で平均点を取れば、合計点で成績上位者になれますが、大人の世界では「その他大勢」は重宝されません。会社はいろいろな人材で成り立っており、スターでなくても「なくてはならない人材」はいます。そういう人になれれば、簡単にクビになることはありません。

   孫子の兵法に「彼を知り己を知れば、百戦してあやうからず」という言葉もあります。会社や上司が、あなたに対してどのような役割を期待しているのかを知り、それに応えられるように努力していけば、会社にとって必要な人材にきっとなれるでしょう。

野崎大輔

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野崎大輔(のざき・だいすけ)
フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。「企業を活性化させるチェンジ・エージェント」を掲げ、東京・四谷で人事コンサルタントとして活動中。野崎人事労務管理事務所代表、特定社会保険労務士。mixiでコミュニティ「できるヤツと思わせる20のコツ」を運営。09年4月からJ-CASTで「ヨソでは言えない社内トラブル」を共同執筆。
<ビジネス下克上時代に勝つ!>ランチェスター戦略「弱者逆転」の法則
<ビジネス下克上時代に勝つ!>ランチェスター戦略「弱者逆転」の法則福永 雅文

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