険悪! 部下の「女性2人」がずっと無視し合っています

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   いったん仲違いをした同僚は、お互いに意地を張って、なかなか関係を修復しようとしません。それが仕事にも影響を与えるようになると、上司も他の同僚もたまったものではありません。ある会社では「現場の課長が挟み撃ちになっている」と途方に暮れています。


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以前は親しくしていたが「後輩の結婚」を契機に・・・

――水産加工業の人事担当です。経理部の課長から「部下のA子さんとB子さんの仲が悪くて困る」と相談を受けました。A子さんは給与担当、B子さんは顧客対応担当で普段は影響がないのですが、たまに仕事上の絡みがあると厄介なことになります。

   もともとA子さんは、同じ部の1つ先輩としてB子さんに仕事を教え、親しくしていたのですが、B子さんが結婚して以降、急に関係がギクシャクし始めました。いまではお互いにあいさつはおろか、目も合わせません。
   A子さんは課長に「B子さんは仕事が出来ない」と愚痴をこぼし、B子さんはA子さんを完全に無視しています。お互いに連絡したり相談したりする必要が生じても、直接は言わず、課長経由でしか話しません。

   2人とも他の人とは特に問題なくやっているのですが、周りのメンバーが何となく「どっち派」の様になり職場はギスギスしています。職場の雰囲気は重い感じになっており、人間関係が嫌になって辞めた若い社員が何人かいます。
   今後も協力して仕事をするのは難しい気がします。しかし仕事の専門性と年齢から考えて、いまのところ配置転換は難しいのではないかと考えています。解決のしようがないので、課長も呆れて放置しています。もし何か現状を打開できる方法があれば、教えていただきたいのですが――

社会保険労務士・野崎大輔の視点
仲が悪いこと自体を気にしすぎず「仕事」上の問題を注意

   不思議なことに人間には、自分では何ともしがたい「好き嫌い」や「相性」というものがあります。これは仕方のないことですので、相性の良し悪しと「仕事」とは別だということを、2人に認めてもらう必要があるでしょう。課長が間に立って仕事をすることくらいは、管理職への「報告・連絡・相談」にもなりますので、そう悪いことではありません。仲が悪いこと自体は気にしすぎず、仕事上で問題が起きそうになったときに、連絡不足などの要因を指摘して、改善させることにしてはどうでしょうか。

   ただし、仕事上の問題が実際に起こるようなことがあれば、管理職として放置しておくことはできません。2人に仕事をきちんとするよう注意し、態度の改善が見られない方を(場合によっては両人とも)配置転換をするということが考えられます。

臨床心理士・尾崎健一の視点
第三者を交えて「思っている事」を吐き出す場を設ける

   人間はネガティブな方に考えが行き始めると、想像が妄想となり、現実からかけ離れて肥大化する傾向にあります。そのときは第三者がお互いに対し、現実を見るように導いてあげる必要があります。

   今回のようなケースでは「ミディエーション」という手法を用いることがあります。双方に中立的な立場の人が「仲裁役」として入り、2人で話し合わせるのです。まずは「仕事の滞りが起きている問題は何か?」という話題から入りますが、最初はお互いのせいにしたり、直接関係のない話から始まることが多いでしょう。しかし仲裁役は、中立を貫いてそれぞれに理解を示しながら話し合わせます。言いたいことを言った上で、話し疲れてくると人間の平和への欲求が沸いてくることが多いものです。そして、双方の言い分を十分聞いた上で「これからどうすればよいか?」「それによって生産性の低下が改善されるのか?」について話をさせます。仲裁のポイントは、お互いに自分の非を認めたり、譲歩の姿勢を表したりしたときを見逃さず、うまく話題に取り上げることです。

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(本コラムについて)
臨床心理士の尾崎健一と、社会保険労務士の野崎大輔が、企業の人事部門の方々からよく受ける相談内容について、専門的見地を踏まえて回答を検討します。なお、毎回の相談事例は、特定の相談そのままの内容ではありませんので、ご了承ください。

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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