サラリーマンの通勤時間「60分」は「貴重な自由時間」?

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   ある調査結果によると、首都圏のサラリーマンの通勤時間の平均は60分で、「理想の通勤時間」34分を上回った。また通勤時間の「限界」の平均は1時間28分だったが、30代では「3時間」と答えた人も少なくなかったという。

「理想の通勤時間」 現状より長い時間を回答する人も

朝の通勤電車も下りだと空いているのだけれど
朝の通勤電車も下りだと空いているのだけれど

   不動産総合情報サービスのアットホームは2009年11月20日、「通勤」の実態に関する調査結果を発表した。回答者は、1都3県在住(東京・神奈川・埼玉・千葉)で、東京都に勤める20代から50代までの既婚(妻と同居)男性サラリーマン600名。

   これによると、おもな通勤手段(複数利用の場合はもっとも移動時間が長いもの)は、圧倒的に「電車」が多く、66.8%。現在の通勤時間(片道)の回答は、最短0分から最長2時間半までさまざま。平均通勤時間は60分ちょうどだった。

   一方「理想の通勤時間」の平均は34分で、現状の通勤時間に比べると短いが、回答の中には現状と理想が同じだったり、理想の方が長いものもあった。また「通勤時間の限界」の平均は1時間28分だったが、中には「3時間」という回答も見られ、特に30代に多かったという。この結果について調査元では、

「サラリーマンにとって“通勤時間”は“痛勤”ばかりではなく、一人で自由に使える貴重な時間かもしれない」

と分析している。今年、都心から郊外に居を移した40代の会社員も、「通勤時間が25分から1時間に延びたことで、電車の中での読書量が増えたし、寝不足のときには電車の中で眠れるようになった」と、意外なメリットを指摘している。

理想の過ごし方は「読書」、現実は「つらさに耐えて立っている」

   2007年に「駅前探検倶楽部」(現・駅探)が実施したアンケートでも、「理想の通勤・通学の過ごし方」の1位は「読書」、2位は「寝る」だった。しかし「実際の過ごし方」は、1位こそ「寝る」だが、2位以下は「つらさに耐えている」「立っている」が続いた。

「身動きが取れないので、ハンカチをカバンから取り出し汗を拭くのが精一杯(30代女性)」
「ギュウギュウ詰めで本なんてとても読めない。音楽プレーヤーも操作できず、音漏れも心配(10代男性)」
「(帰宅時には)立って酔っ払いの怒声に耐えながら、痴漢に間違われないように女性を避けて耐える(40代男性)」

という声もあり、実際に本を読んだり眠ったりできる人は、比較的恵まれた通勤環境にあるという見方もできる。この結果を見て、岐阜県の設計事務所に勤務する30代の女性は、

「家から会社まで、雨なら自動車、晴れなら自転車でも10分くらい。本は読めないけど、通勤のストレスはないです。都会の人は大変ですね」

と答えてくれた。

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