2020年 1月 18日 (土)

競合他社への「人材流出」どうしたら止められますか?

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   採用内定が出ないまま4月を迎えそうな新卒学生がいる一方で、求人広告を出してもなかなか人材を確保できない会社もあるようだ。

   ある会社では、新卒の確保ができないばかりか、優秀な社員が相次いで退職してしまい、人事担当者が頭を抱えている。

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転職者の成功談を聞き社内の不満がピークに

――IT系中小企業の人事です。不景気で労働市場は「買い手有利」のはずですが、当社では思ったような人材を採れていません。
   そればかりか優秀な社員の流出が続いています。大手メーカー出身で昨年中途採用したA君も、たった半年で退職してしまいました。
   どうやらヘッドハンターに声をかけられ、給料の大幅アップを提示されてアジア系外資の競合他社に転職したようです。最新アプリケーションの技術があって英語の出来る人は、かなりの好条件で強力に引っ張られるようです。
   また当社は、昨年冬のボーナスが例年の半分だったのですが、転職先の外資では雇用契約の締結時にサインイン・ボーナスを支払われたようです。社員たちの中にはA君の成功談を聞いて、

「あそこはサインインで200万円プラス休暇30日上積みらしいよ」
「あーあ、この会社の仕事にも飽きてきたしなあ」
などと、聞こえよがしに会社の不満を口にしています。
   競合他社からの引き抜きは、A君ばかりではありません。ある部署では、8人全員が同じ会社からまとめて勧誘を受けたことが、最近になって判明しました。
   「職業選択の自由」が憲法に定められていることは承知していますが、このままでは当社が売りにしてきた技術を担う人がいなくなってしまいますし、競合へのノウハウ流出も心配です。社員を引き止めるために、何らかの定めをするなどの対策を打つことができるでしょうか――

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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